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Zemaxソフトウェアの最新版、OpticStudio22.2およびOpticsBuilder22.2の新機能をご紹介します。こちらのコミュニティフォーラムにて、事前の質問および開催後の質問を受け付けております。お気軽にコメントを投稿ください。

 

日時:2022 年 6 月 15 日(水)14:00-14:30 

参加リンク:

アブストラクト

OpticStudio22.2では、広角レンズ用の強化されたレイエイミングの機能が拡張され、サポートするアパチャータイプと視野タイプが追加されました。また、レイエイミングウィザードが正式に搭載され、レイエイミングの設定をサポートします。外部連携の強化として、Ansys Speos向けに設計データをエクスポートする機能が搭載され、Creo 7とのDynamic Linkをサポートします。

STARモジュールには、FEAデータごとの光学性能変化の寄与度を視覚化するツールが搭載されました。OpticsBuilder22.2には、インタラクティブな主光線解析機能の改善や、光学部品を通過するビームの境界を描画するツールが新たに搭載されました。

プレゼンタ: アンシス・ジャパン株式会社 シニアアプリケーションエンジニア 石川 孝史 (@Takashi Ishikawa )

米国時間 5/31、日本時間 6/1に、OpticStudio 22.2、OpticsBuilder 22.2がリリースされました。

OpticStudio

ダウンロード: https://www.zemax.jp/pages/opticstudio-downloads

リリースノート: OpticStudio 22.2 リリースノート

OpticsBuilder

ダウンロード: https://www.zemax.jp/pages/opticsbuilder-downloads

リリースノート: OpticsBuilder 22.2 リリースノート


Webinerでのご講演ありがとうございました。2点ご質問させてください。

 

1.ファイル形式につきまして

ZOS22.2からは.zmxが非推奨との表示がなくなり、デフォルトでの保存形式として選択できるとのことですが、.zosの利点について教えていただけないでしょうか?今までは.zmsが非推奨との表示だったため、.zosに置き換わるものと考えていたため、zosを使用しており、マクロも.zosに対応できるように書き換えていました。共同開発者からは.zosが読み込めないので.zmxに変換してほしいとの要望が数度ありましたので、どちらのファイル形式を使用するのが将来的に良いのか判断したいと思っています。

 

2.Starの温度変化と構造変形について

温度変化と構造変形の切り分けがわかりませんでした。温度が変化した際に光学性能に与える影響としては、(1) マウントや台座の膨張収縮に伴う光学素子の剛体移動、(2) ホルダーと光学素子とのCTEの違いによる光学面の歪み、(3) 光学素子自体の膨張収縮による変形、(4) (透過素子の場合は)内部屈折率の分布 があるかと思いますが、どのように切り分けているのでしょうか?

また評価指標については、評価関数(メリットファンクション評価値)を設定できると助かりますのでご検討頂けますとありがたいです。視野、波長の最悪値などを評価することが多いためです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。


@Toshihiro 

本日は22.2リリースウェビナーへのご参加、そしてご質問をありがとうございます。

 

回答1: .ZOSファイルのメリットと将来性

今のところ、.ZMXファイルと.ZOSファイルの違いは、テキストファイルかバイナリファイルのみです。バイナリファイルであることの利点は、セキュリティ面が挙げられます。OpticStudioがないと光学設計データにアクセスできません。また、ファイルへのアクセスが高速になりますが、エディタに相当な行数が記載されていないと、その効果を実感することはないかもしれません。あとは、ファイルサイズが小さくなりますが、ZDAが大きいのであまり気にならないかもしれません。詳細については、以下の投稿でディスカッションがされています。

将来性について明言することは難しく、あくまで小職個人の見解は次のとおりです。.ZOSは、バイナリ形式だからこそ実現できるファイル管理機能が検討される可能性があります。例えば、バージョン管理機能などです。複数のソフトウェア間でレンズデータが共有されるようなワークフローにおいては、バイナリ形式は拡張性を有しているので、中長期的には.ZOSのほうが有望では、と考えます。他のソフトウェアでもアクセスできる.ZMXファイルのメリットは、セキュリティ面のリスクの裏返しなので、総合的な判断が必要になります。

 

回答2: STARの解析結果の切り分け

STARは、構造変形を「FEAにおける初期ノード位置から解析後のノード位置の差分」として認識します。よって、現在は (1) マウントや台座の膨張収縮に伴う光学素子の剛体移動、(2) ホルダーと光学素子とのCTEの違いによる光学面の歪み、(3) 光学素子自体の膨張収縮による変形、この3点は「構造変形」として切り分けられます。

温度変化は「FEAにおけるノード位置での温度」を屈折率変化に換算します。これは (4) (透過素子の場合は)内部屈折率の分布 に相当します。

構造変形が様々な要素に分解できること、それがSTOP分析において重要になることは開発チームも認識しており、この部分への機能強化も積極的に検討されております。引き続き、STARモジュールの強化にご期待くださいませ。

またパフォーマンス解析の新機能のご要望、まことにありがとうございます。ユニバーサルプロットのように、評価関数とオペランドが選択できるとさらに便利になりそうです・さっそく開発チームへ共有し、検討を依頼します。


石川 様、

 

ご回答ありがとうございました。理解できました。

 

天文観測装置の用途では光学定盤の上にのるような光学系となることが多く、温度変化の光学性能に対する影響は、光学定盤自体の膨張収縮に伴う光学素子の剛体運動が支配的なことが多いです。今回のご発表では面ごとの影響度のグラフ(「構造変形」と「温度変化」)が表示されておりましたが、「構造変形」の要素として「剛体運動」と「面変形」に分けられると使いやすいと思いました。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 


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