回折光学素子を含む光学系のSTOP分析を行う場合、FEAデータを回折素子に適用すると光線が回折しなくなります。完璧なソリューションではありませんが、STRAの新機能を用いた対応方法をご紹介します。
Solved
STAR機能(Component RBMs)を用いた回折グレーティングを含む光学系のSTOP分析
Best answer by Takashi Ishikawa
Component RBMsは、回折グレーティングの剛体運動を座標ブレークに置き換えます。具体的には、図のように回折グレーティングの面範囲を選択して一つの光学部品として設定し、この範囲の剛体運動を座標ブレークに変換します。このプロセスは元に戻すことができないので、プロセス中にプロンプトが出るように、新しいファイルを作成することが推奨されます。



このツールによって、座標ブレークが自動的に生成されます。確かに、事前に確認した剛体運動に相当する数値が座標ブレークのパラメータに設定されています。光学面にはRBMが取り除かれた変形データが適用されます。ただし、この変形データは、STARの仕様により回折力を無視させるため、やはり構造データサマリで回折グレーティング面のFEAデータのチェックを外します。この設定によって、回折グレーティングを含めた光学部品の“移動”によるスポットの移動やサイズの変化を解析可能です。


以上のとおり、Component RBMsツールによって抽出された回折グレーティングの移動を考慮したSTOP分析が可能になりました。一方で、回折グレーティング面の変形は考慮していません。つまり、面は平坦で、グレーティングの周期や方向、構造は理想的な状態です。たしかに、上記の方法は回折光学系の完璧なSTOP分析とは言えませんが、部品の移動がクリティカルな、例えば反射型回折光学系に対しては重要な設計指針を提供します。
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