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メジャーリリース

OpticStudio 20.1.1 リリースノート


Yihua Hsiao
Zemax Staff
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2020 年 2 月 25 日

1     シーケンシャル モードのツール、機能及び利便性

1.1      ベンダー提供の公差プリセット (すべてのエディション)

ベンダーが提供する公差プリセットを使用したワンクリックでの正確な公差の設定

OpticStudio 20.1 は、[公差解析ウィザード](Tolerance Wizard) に Asphericon、Edmund Optics、LaCroixOptics、および Optimax から提供された [公差プリセット](Tolerance Presets) を備えています。これにより、ユーザは好みのベンダーの現実的な公差値を使用して、[公差解析データ エディタ](Tolerance Data Editor) を即座に設定できます。この新しい公差解析ウィザードを図 1.1.a に示します。

図1.1.a 公差解析ウィザードのトップにある公差プリセット

1.2      クイック感度解析 (すべてのエディション)

システムの中で最も高感度な部品の洞察を短時間で提供する全く新しい手法

[クイック感度](Quick Sensitivity) 解析は、高速に近似的な感度解析を実行する新しいツールで、ユーザが正しい方向に進んでいるか間違った方向に進んでいるかの指針を示します。完全な公差解析機能とは異なり、クイック感度解析のウィンドウには 4 つのオプションだけで、迅速に結果が得られるように最適化されています。通常数秒で結果が得られるので、ユーザは設計プロセス中に頻繁に確認でき、設計の方向性を継続的に把握できます。 クイック感度解析ツールは、図 1.2.a に示すように、[公差](Tolerance ) タブ > [クイック感度](Quick Sensitivity) にあります。

図 1.2.a クイック感度解析ツール

このツールは、近軸焦点の補正を用いた感度解析のみを行うことに注意してください。さらに、公差解析データ エディタ上の全てのエレメントの公差 (TEDX/TEDY/TETX/TETY) は無視されます。すべての公差の感度に対して完全で厳密な解析を行うには、完全な公差解析ツールを使用する必要があります。

 

1.3      面勾配解析とオペランド (すべてのエディション)

新しい面勾配解析とそれに付随する自由曲面を制約するオペランドによる製造性の向上

最新の製造プロセスと制約をより適切にサポートするために、OpticStudio 20.1 では新しい [面勾配](Surface Slope) 解析と、付随するオペランド SSLP が追加されました。これらの解析機能は、曲率解析と同様に、任意の面のタンジェンシャル、サジタル、X 、Y 方向の傾斜を見ることができます。面勾配解析は、[解析](Analyze) タブ > [面](Surface) > [面勾配](Surface Slope)、および [解析](Analyze) タブ > [面](Surface) > [面勾配断面](Surface Slope Cross Section) にあります。これらの解析例を図 1.3.a に示します。

 1.3.a 面勾配解析と面勾配断面解析

1.4      [面] のデータ解析の軸外し座標への対応 (すべてのエディション)

全ての [のデータ解析機能が軸外し座標に対応

サグ、サグ断面、曲率、曲率断面、位相、位相断面、面勾配、面勾配断面のすべての解析機能に、[軸外し座標](Off-Axis Coordinates) のチェック ボックスが追加されました。これがチェックされると、解析結果のプロットは面のプロパティで定義されたアパチャーを考慮します。データ計算の座標系は、軸外し部品の頂点に原点を持ちます。このオプションの有効なアパチャー タイプは、円形、矩形、楕円形、ユーザ定義、浮動です。

サグ、曲率、面勾配解析も同様に、プロットからベース曲率半径と最適球面を [除去](Remove) できるようになりました。一方、位相解析のプロットからはピストン、ティルト、パワーを除去できるようになりました。新しいチェック ボックスと除去のオプションを、図 1.4.a に示します。

図 1.4.a 新しく軸外し座標と除去のオプションがアップデートされたサグプロットの設定画面

1.5      TRUEFREEFORM™ 面 (サブスクリプションのPREMIUM のみ)

最先端の自由曲面テクノロジーとグリッド ポイント最適化の利用

[TrueFreeForm™](TrueFreeForm™) 面は、バイコーニック項、偶数非球面項、拡張多項式項、およびゼルニケ標準サグ項を組み合わせた面上のサグポイントのグリッドとして、自由曲面を定義します。この面タイプにより、ユーザはこれらの項を定義済みの面に追加したり (変換ツール [TrueFreeForm の作成](Make TrueFreeForm) を使用します)、[グリッド点セレクタ](Grid Point Selector) ツールを使用してサグポイント グリッドの特定の領域を最適化できます。TrueFreeForm™ は、パラメータ化された面のみではこれまで不可能だった面の作成を可能にします。1.5.a は、TrueFreeForm™ 面を使用して、XR アプリケーションの視線追跡システムを設計している様子を示します。

図 1.5.a XR アプリケーションで使用される TrueFreeForm™ 面

1.6      グリッド点セレクタ ツール (サブスクリプションのPREMIUM のみ)

TrueFreeForm™ 面のサグポイント グリッドから最適化対象領域を簡便に指定

[グリッド点セレクタ](Grid Point Selector) ツールは、TrueFreeForm™ 面を定義するサグポイント グリッドを表示します。グリッド点セレクタツールを使用すると、サグデータの外部テキスト ファイルでの作業なしで、TrueFreeForm™ のサググリッドにアクセスして操作できます。表示領域では、サグポイントが灰色のドットで表示されます。このグリッドに重ねて、1.6.aに示すように、面のサグデータまたは光線の フットプリント データも表示できます。さらに、このツールを使用して、サググリッドのリサンプリングまたはスケーリングができます。グリッド点セレクタ ツールは、[レンズ データ エディタ](Lends Data Editor) のツールバーにあります。

図 1.6.a グリッド点セレクタ ツール

1.7      TRUEFREEFORM™ の作成ツール (サブスクリプションのPREMIUM のみ)

あらゆる面を TrueFreeForm™ 面へ変換

[TrueFreeForm™ の作成](Make TrueFreeForm™) ツールは、既存の面を TrueFreeForm™ 面タイプに変換すると同時に、標準、非球面、多項式、バイコーニック、またはゼルニケのパラメータ項を保持します。これらの面のパラメータによる基本形状の上に、サグポイントのグリッドが配置されます。完全にパラメータのみでサポートされない面は代わりに、変換中にサグポイントのグリッドとしてサンプリングされます。TrueFreeForm™ の作成ツールは、1.7.a に示すように、レンズ データ エディタにあります。

 

図 1.7.a TrueFreeForm の作成ツール

1.8      点群エクスポート ツール (サブスクリプションのPREMIUM のみ)

全てのサグ面を点群ファイルへエクスポート

[点群](Point Cloud) は、選択したサグ面をPCD 形式の点群ファイルとしてエクスポートします。このツールは、1.8.a に示すように、[ファイル](File) タブ > [点群](Point Cloud) にあります。

図 1.8.a 点群エクスポート ツール

1.9      ゼルニケ項計算速度の向上 (すべてのエディション)

ゼルニケ項ベースの計算速度が 倍、計算精度が 1000 倍以上向上

新しいゼルニケ項の計算方法[1]を利用することで、OpticStudio のゼルニケ項の計算が 3 倍高速になり、1000倍以上正確になりました。この改善は、各種ゼルニケ面と最適化を含むすべてのゼルニケ項に基づいた計算に適用されます。

1.10    面データ オペランドのアップデートと追加 (すべてのエディション)

面データ解析の新しい改善を反映した面データ オペランド のアップデートと追加

SSAG は [面](Surface) の [サグ](Sag) 解析の新しい設定を反映するようにアップデートされ、SCRV、SPHS、SSLP、DSAG、DCRV、DPHS、DSLPは新しい利用可能なデータを反映するためにすべて追加されました。

SSAG、SCRV、および SSLP は、それぞれサグ、曲率、または勾配を返し、さらに軸外し座標、ベース曲率半径の除去、および最適球面の除去のオプションがあります。

SPHS は位相を返し、ピストン、ティルト、およびパワーを除去するオプションがあります。

DSAG、DCRV、DSLPは、指定された面の平均値、PV 値、最小または最大値、および最小値または最大値をとる X または Y 座標を含む、面に関するデータを返します。これらのオペランドには、Data、Sampling、Off-axis、Remove、BFS (最適球面)、およびOrientationフラグがあります。

DPHSは、面の位相データを返します。位相データには指定された面における RMS 値、PV 値、最小または最大位相値、および最小または最大位相値をとる X または Y 座標が含まれます。このオペランドには、Data、Sampling、Off-axis、および Remove フラグがあります。

1.11    新しい DLL: US_ZERNIKE+MSF.DLL (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM のみ)

中間空間周波数をモデル化する新しいユーザ定義面

[Us_zernike+msf.DLL] はゼルニケ標準サグ面にリップルの項を加えたユーザ定義面です。この面の偶数次非球面部は、図 1.11.a に示す通りです。より詳しい情報は “Constructing mid-spatial frequency tooling errors for evaluation and tolerancing” の記事をご覧ください。

図 1.11.a 新しいユーザ定義面のサグの説明

1.12    新しい DLL: US_HOLOGRAM_KOGELNIK.DLL (サブスクリプションの PREMIUM のみ)

体積ホログラムの回折効率をモデル化する新しいユーザ定義面 (SEQ

このDLL は、コゲルニック法[2]に基づいて、体積ブラッグ回折格子とも呼ばれる体積型ホログラフィック回折格子をモデル化します。構成系は、既存の面タイプのホログラム 1 およびホログラム 2 と同様の方法で定義されます。それ以外に、ホログラムの平均屈折率、屈折率変調、厚さなどのパラメータを使用して、回折効率を計算します。公差解析パラメータとして収縮率や屈折率シフトなどが含まれていて、製造性解析ができます。この DLL のより詳しい情報については ”Simulating diffraction efficiency of a volume holographic grating using Kogelnik’s method ” の記事をご覧ください。

1.13    新しい DLL:  HOLOGRAM_KOGELNIK.DLL (サブスクリプションのPREMIUM のみ)

体積ホログラムの回折効率をモデル化する新しいユーザ定義回折 (NSC

これは、上記 DLL のノンシーケンシャル版です。

図 1.13.a hologram_kogelnik.dll の使用時の設定

1.14    新しい DLL: SRG_TRAPEZOID_RCWA.DLL (サブスクリプションの PREMIUM のみ)

回折効率を考慮した台形型回折格子をモデル化する DLL

この新しい回折 DLL を使用して、回折効率を正確に計算した台形型回折格子をモデル化できるようになりました。この DLL は、1.14.a に示すように、ノンシーケンシャル モード にてユーザ定義オブジェクトの[DiffractionGrating.DLL] で使用できます。この機能の詳細については、 “Simulating diffraction efficiency of surface-relief grating using the RCWA method ” の記事をご覧ください。

 

1.15    新しい DLL: SRG_STEP_RCWA.DLL (サブスクリプションの PREMIUM のみ)

回折効率を考慮したステップ型回折格子をモデル化する DLL

このDLL は上記のDLL の別バージョンです。この新しい回折 DLL を使用すると、回折効率を正確に計算したステップ型表面レリーフ回折格子をモデル化できます。この DLL は、1.14.a に示すように、ノン シーケンシャル モードにてユーザ定義オブジェクトの [DiffractionGrating.DLL] で使用できます。この機能の詳細については、 “Simulating diffraction efficiency of surface-relief grating using the RCWA method ” の記事をご覧ください。

1.16    新しいユーザ解析: PHASE PLOT FOR BINARY 2 SURFACE (PROFESSIONAL および PREMIUM エディション)

新しいユーザ解析によるバイナリ 面の位相解析

このユーザ解析は、バイナリ 2 面の位相と位相勾配の逆数を示すグラフを作成します。プロットは、面のクリア半径または半径上の位相を示します。このグラフは、現在非推奨な DDE 拡張機能の [Phase Plot] と同じ機能を備えています。バイナリ 2 面の周波数は、1.16.a で確認できます。

図  1.16.a [Phase Plot for Binary 2 Surface] ユーザ拡張機能を使ったバイナリ 2 面の周波数

1.17    新しいオペランド: EFLA, 空気中の有効焦点距離 (すべてのエディション)

レンズ毎の空気中の有効焦点距離を計算

EFLAは、レンズ ユニットで空気中の有効焦点距離を計算します。これは、パラメータ Surf で定義された面から次の面までのパラメータを使って計算されます。使用される波長は、Wave によって定義されます。

 

2      プログラミング

2.1     新しい ZOS-API の例: NCE DETECTOR DATA (PROFESSIONAL および PREMIUM エディション)

ZOS-API を使用して NSC のディテクタ データを取得する方法を示す新しい例

API を使用したノンシーケンシャル モードでのディテクタ データの取得は、ZOS-API シンタックス ヘルプの新しい組み込み例により、これまでになく簡単になりました。新しい例は、図 2.1.a に示す [Example08: NCE Detector Data] です。

図 2.1.a ZOS-API シンタックス ヘルプ のExample 08

3      有用性

3.1      OPTICSBUILDER 向け準備 (PROFESSIONAL および PREMIUM エディション)

光学エンジニアからメカ エンジニアへのシームレスなハンドオフ機能

[OpticsBuilder 向け準備](Prepare for OpticsBuilder) ツールは、OpticStudio の光学系を CAD に適した .ZBD ファイルに変換することで、OpticsBuilder ですぐに使用できるようにします。この機能は変換出力を検証して、OpticsBuilder ユーザにとって有効で使用可能なファイルであることを確認します。OpticsBuilder 向け準備が変換中にエラーを検出した場合、問題解決のためのエラー メッセージを出力します。 

[OpticsBuilder 向け準備] とシーケンシャルからノンシーケンシャル モードへの変換について、より詳しい情報は、“Prepare for OpticsBuilder”の記事をご覧ください。

図 3.1.a OpticsBuilder 向け準備のユーザ インターフェイス

3.2      ZBD ファイルの読み込み (PROFESSIONAL および PREMIUM エディション)

ZBD ファイルを OpticStudio で読み込み

OpticsBuilder 向け準備ツールからZBD ファイルを作成した後、このファイルは OpticsBuilder と同様にOpticStudio で開くことができます。さらに、OpticsBuilder で作成された ZBD ファイルも OpticStudio で開くことができます。

図 3.2.a  .ZBD ファイルを含めた OpticStudio の新しく開く ダイアログ

4      ライブラリとカタログ

4.1     カタログの更新 (すべてのエディション)

Auer LightingNHGNikonNikon-HikariEdmund Optics の最新カタログを入手.

材料カタログ

·AUER-LIGHTING 材料カタログ が追加されました。このカタログには、高い耐熱性と耐薬品性を備えたホウケイ酸ガラス (ボロシリケイトガラス) であるSUPRAX 8488 が含まれています。

·NHG 材料カタログ が更新され、数種類の新しい材料が追加されました。H-FK95、H-ZK20、D-K9、D-ZK50、D-PK60、D-ZLaF52L、D-ZLaF52N-M170、 および LaF5 です。近赤外線帯域の屈折率のデータ (852.11nm、1013.98nm、1064.00nm、1128.64nm、1529.58nm、1970.09nm、2325.42nm) および -60℃ から 160℃ までの屈折率の温度係数 dn / dt が改善されました。熱膨張係数は -50℃ から 160℃ まで 10℃ ごとに測定されており、ソラリゼーション係数 ⊿λ が追加されました。応力光弾性係数 B も更新されています。

·NIKON 材料カタログ は廃止され、カタログのコメントに反映されています。今後はNIKON-HIKARI 材料カタログのみアップデートされ、 NIKON.AGF ファイルは過去の設計ファイルのためにだけに残されます。

·NIKON-HIKARI 材料カタログ は更新され、高屈折率ガラス領域の高透過率タイプのガラスJ-SFH1HS、J-LASFH15HS、および J-LASF015HS が変更されました。 光学モールドレンズ用Q-PSKH52S の改良バージョンがリリースされました。全てのガラスタイプの透過率が更新されており、 J-BAF12 および J-SK16 の熱解析用パラメータも更新されています。 NIFS および NICF シリーズの内部透過率データの厚さが1.0 mm から10.0 mm へと変更されています。

市販レンズ カタログ

·Edmund Optics の市販レンズ カタログ は、接着剤が材料カタログに含まれていないため、特定のダブレット レンズの接着層を削除するように更新されました。

5      パフォーマンスおよび安定性の改善

OpticStudio 20.1 には以下の機能強化が含まれています。

シーケンシャル ツールと機能

·[スポット ダイアグラム](Spot Diagram) – 軸とラベルの配置は、さまざまなアスペクト比やグラフィックの解像度に対して正しく機能するようになりました。

·[周辺光量比](Relative Illumination) – 「物体面は平面である」 という前提が満たされない場合、警告を追加しました。

·[アクティブ オーバーレイ](Active Overlay) – アクティブ オーバーレイはテキスト タブの解析があっても、動作するようになりました。

·[Zemax ライセンス マネージャ](Zemax License Manager) – 「アクティブ」 と 「すべて/使用可能シート数」の列でソート機能が使えるようになりました。

·[最適化](Optimization) – 最適化を早期に終了し、IMSFオペランドを使用して評価関数の像面を変更するときの安定性が向上しました。

プログラミング

·ZOS-API および ZPL での全視野収差の対応 – ZOS-API および ZPL に [全視野収差](Full Field Aberration) 解析をサポートする機能が追加されました。

·ZOS-API シンタックス ヘルプ - ZOS-API シンタックス ヘルプが更新され、シーケンシャルの IBatchRayTrace のための OPD 計算が明確になりました。

6       バグ修正

OpticStudio 20.1 には以下のバグ修正が含まれています。

シーケンシャル ツール と機能

·[メリット ファンクション エディタ](Merit Function Editor) – IMAE オペランドはCONF オペランドを使って正しく動作するようになりました。

·[ユーザ定義面](User Defined Surface) – CODA オペランドの使用時や、偏光を含めた光線追跡を行うときに、ユーザ定義面の [did_polar] フラグを正しく認識するようになりました。[did_polar =1] の時はS/P 偏光を、[did_polar =2] の時は電場を正しく渡します。以前はCODA オペランドによって [did_polar] フラグが無視されて、面はコーティングなしと扱われていました。

·[Dynamic Data Exchange](DDE) 互換性 – サブスクリプション ライセンスの使用時に限り、ユーザがDDE を実行できない、またはコマンドライン インターフェイス ツールを使用できない問題を修正しました。

·ライセンス互換性 – 2016 年以前に発行された黒色キーで、ガラス代替用ソルブと ZPL マクロで発生していた問題が修正されました。

·[サグ表](Sag Table) – サグ表および関連解析の[最適球面](BFS) および最大勾配偏差アルゴリズムを更新しました。サグ表の最適球面の半径がレンズの半径より小さく、サグ表の最大半径がレンズの半径を超える場合正しくない結果になっていました。その場合、凹面は変化しますが、サグは一定のままであり、レンズの半径は曲率半径に近づきます(過半球状態) 。この状態の時でも正しい最小RMS偏差で一貫した結果を返すようにすべて改善されました。

·[視野データ エディタ](Field Data Editor) – 視野設定後にピックアップ ソルブを使えるようになりました。

·偏光を使用した光線追跡 – 実伝搬の後に仮想伝搬が続く場合でも、相対透過率計算の値が1を超えなくなりました.

·マルチ コンフィグレーション ‐ 4つ以上のコンフィグレーションがある時に、 Q タイプ非球面にも正しく熱解析用ピックアップが機能するようになりました。

·エラー処理 ‐ 利用可能なメモリーが不足しているときに、ホイヘンス PSF と FFT 線像/エッジ像分布関数のエラー処理が改善されました。

·テーブル ガラス ‐ テーブル ガラス データにおいて、透過率が小さい時の吸収率の計算が正しく行われるようになりました。

プログラミング

·[ビネット光線] (Vignetted Rays) – ZOS-API において [干渉図形](Interferogram) および [パワー瞳マップ] (Power Pupil Map) の解析結果のIRA_DataGrid() に、瞳外のビネッティング ポイント (x , y) の値には[NaN ](1.0 ではなく) が返るようになりました。実際の計算データは変更されておらず、ケラレた光線の影響を受けないことに注意してください。

·[公差解析] (Tolerancing) – ZOS-API において、IOpticalSystemTools インターフェイスのOpenTolerancing() が公差解析を即座に実行することなくツールを開けるようになりました。

·[視野データ エディタ ] (Field Data Editor) – ZOS-API コマンドの MakeEqualAreaFields(numFields, maxField) が0から最大の視野値の間で視野数を適切に追加するようになりました。

·2次元配列データ – ZOS-API のSetData() メソッドの IUserGridData およびIUserGridRGBData インターフェイスはユーザ解析において2次元配列を適切に描画していませんでした。

 

ライセンス

·[Zemax ライセンス マネージャ](Zemax License Manager) ‐ サブスクリプション ライセンスの有効期限を正しく表示するようになりました。

·Zemax ライセンス マネージャ – 赤と緑の USB キーを管理するための Sentinel HASP ドライバのバージョンが 7.90 から 7.103 にアップデートされました。このアップデートには、セキュリティの強化と、マシンの再起動時または主要な Windows 10 更新プログラムのインストール時にライセンスが誤動作するのを防ぐための更新が含まれます。ネットワーク ライセンスをホストしている場合は、ライセンス キー サーバーを最新の Zemax ライセンス マネージャに更新してください。黒い USB ネットワーク ライセンスを使用しているユーザには適用されません。


[1] Andersen, Torben. (2018). Efficient and robust recurrence relations for the Zernike circle polynomials and their derivatives in Cartesian coordinates. Optics Express. 26. 18878. 10.1364/OE.26.018878.

[2] Kogelnik, H. (1969) Coupled Wave Theory for Thick Hologram Gratings. Bell System Technical Journal, 48, 2909-2947.

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