2021 年 1 月 19 日
1 ツール、 機能及び利便性
1.1 光源とディテクタの追加
OpticsBuilder において、CAD 上でユーザーが光源とディテクタの追加が可能
OpticsBuilder 21.1は、光学モデルに光源とディテクタを追加する機能をユーザーに提供するようになりました。この新しい機能により、ユーザーは、太陽からの光源や均一性の向上のため、視野の端の光を測定するために配置されたディテクタなど、光学製品が遭遇する可能性のある極端な条件をシミュレートするために、追加の光源やディテクタを追加することができ、システムをより適切に分析できます。光源とディテクタの両方を追加する機能により、オプト メカニカル エンジニアは、物理的に試作品を作る前に、これらの極端な状況に対して機械部品が光学系にどのように影響するかを確認することができます。この機能は SOLIDWORKS と Creo の両方の CAD プラットフォームで使用でき、SOLIDWORKS では [光源 / ディテクタの追加] (Add Source/Detector) ボタンは、図 1.1.a のようになっており、 設定については 図 1.1.b と 図 1.1.c の様になっています。

図 1.1.a OpticsBuilder のメニュ-中の、[光源/ディテクタ追加] (Add Source / Detector) ボタン

図 1.1.b 光源の追加の設定画面 図 1.1.c ディテクタの追加の設定画面
1.2 完全な ZEMAX ガラス カタログの使用
CAD プラットフォーム上で、Zemax ガラス カタログを使った光学設計の修正が可能
ユーザーが編集可能な .ZBD ファイルを OpticsBuilder にロードすると、材料カテゴリを含む光学部品に変更を加えることができますが、光学部品に適用する材料カタログと材料タイプが選択できる機能が含まれるようになりました。この材料カタログは OpticStudio 内にあるものと同じであるため、2 つのプログラム間でファイルを簡単かつ完璧に共有することができます。この機能は、SOLIDWORKS とCreo の両方の CADプラットフォームで利用できます。 この完全な Zemax ガラス カタログは、図1.2.a のCreo でのオプションの様に見ることができます。

図 1.2.a 完全な Zemax ガラス カタログのオプション表示
1.3 オブジェクトのディテクタ化テキスト レポート
オブジェクトをディテクタとして設定し、解析可能
オブジェクトをディテクタとして設定することにより、システムを分析する別の手段が加わりました。 [結果] (Result)ウィンドウで [検出器の表示] (View Detectors) を選択すると、オブジェクトをディテクタとして使用したシミュレーションの結果を表示できます。次に、ユーザーは下部のタブからオブジェクトを選択したうえで、上部の [テキスト] (Text) レポートタブを選択して結果を表示できます。オブジェクトのディテクタ化テキスト レポートは、インコヒーレント放射照度の分析情報を提供します。図1.3.aは、Creoでデモンストレーションされた、アクティブ化された断面図の光線をオブジェクトのディテクタ化テキスト レポートで示した例です。

図 1.3.a オブジェクトのディテクタ化テキスト レポート
2 有用性
2.1 UI アップデート
使いやすさのためのユーザー インターフェイスの改善
OpticsBuilder 21.1 には以下のユーザー インターフェイスの改善が含まれます。
- [比較対象] (Compare Against) の設定をよりよく理解するため、結果ウィンドウ / PMPに新しいツールチップが追加されました。
- Optics Managerの黄色い三角形の警告記号用ツールチップが更新されました。これらのツールチップは、実行可能なステップになるよう明確な方向性を示します。
- [光線はこのオブジェクトを無視] (Rays Ignore Object) オプションは、光源では使用できないため、光源の編集可能なメニューから削除されました。
- SOLIDWORKS の [面特性を適用] (Apply Surface Properties) コンテキスト メニューが更新され、Creo のコンテキスト メニューと同様になりました。
- オプトメカ部品は、[バルク散乱] (Bulk Scattering)、[コーティング / 散乱] (Coat/Scatter) タブなどの光学部品で使用できるものと同じ [光学特性] (Optical Properties) メニュー / PMP を使用するようになりました。
- OpticsBuilder for Creoのすべてのバージョンで視認性を高めるため、デフォルトの光線の太さが変更されました。
2.2 エンドユーザー使用許諾契約のアップデート
エンドユーザー使用許諾契約のアップデート
詳細につきましては、OpticsBuilder 21.1 をダウンロードして、含まれているエンドユーザー使用許諾契約を参照してください。
3 パフォーマンスおよび安定性の改善
OpticsBuilder 21.1 には以下の改善が含まれます。
- ベータ版に有効期限が設定されて、特に明記されていない限り、通常は次のリリース日に有効期限が切れます。
- マクロフィーチャー データを SOLIDWORKS 属性に保存するためのロジックが含まれています。
- .ZBDファイルがアセンブリ内に配置される前に、機械部品がアセンブリ内に存在する場合、機械部品は自動的に関心領域に含まれます。
4 バグ修正
OpticsBuilder for SOLIDWORKS 21.1 には以下のバグ修正が含まれます。
- SOLIDWORKS 2020 のバグ – SOLIDWORKS 2020内での安定性を向上させるための修正により、以下の点が改善されます。 SW 2020 SP3.0 で光学部品とSTEP 部品を使用したシステムのシミュレーションの失敗。 特定のアイコンが正しくスケーリングされておらず、特定のオブジェクト タイプが SW 2020 へのインポート中に長時間ハングしていた問題。
- 貼り合わせレンズによるバグ – OpticsBuilderでの、複合レンズ オブジェクトの安定性がさらに改善されました。穴の開いたブーリアン複合レンズ オブジェクトのプロパティを表示または編集すると、SW がクラッシュし、参照ジオメトリが複合レンズ オブジェクトの正しい位置に表示されず、複合レンズ オブジェクトを含むシステムのインポート中に SW がハングしていた問題を修正しました。
- ディテクタに関するバグ – ディテクタに影響を与える以下のバグが修正されました。 ディテクタ ビューアのグラフページで UI の視認性の改善。 光源のみを含むシステムのディテクタ ビューアを開くと、SW がクラッシュしていた点の修正。 SW のインスタンスでディテクタ プロパティ PMP を2回以上開くと、[光線はこのオブジェクトを無視] (Rays Ignore Object) フラグがスキップされていたため、[光源 / ディテクタの追加] (Add Source/Detector) の機能の仕様に完全に対応していなかった点を修正。
- 有用性に関するバグ – 以下のバグが修正されました。 修正された機械部品の散乱プロファイルは、エクスポート時に.ZBDファイルに保存さるように修正。 SW 内でアクティブになっている断面図に沿って光線がカットされるため、読み取り専用の .ZBD ファイルで [光線はこのオブジェクトを無視] (Rays Ignore Object) の選択が変更できないよう修正。 [単一部品] (Single Part) オプションをオンにすると、機械部品とトレースを持つシステムのシミュレーションが失敗しないようになり、読み取り専用の光学システムが SW で作成された合致のために移動された場合に警告が表示されるよう修正。 スポットサイズの結果に対するゼロ パーセンテージが、移動した部品を持つシステムに影響しないよう修正。 特定のアセンブリのグラフィックス領域にシミュレートされた光線が表示されない問題を修正。ダブレット描画機能で、ダブレット描画とシングルレット描画の両方を本来あるべき姿で生成するよう修正。
OpticsBuilder for Creo 21.1 には以下のバグ修正が含まれます。
- レンズ図面を生成 – OpticsBuilder for Creo では、[レンズ図面を生成] (Generate Lens Drawings) に関連する以下のバグが修正されました。図面に「単位」の線を追加するよう修正。描画表のラムダ記号を修正。セメント/接着されたオブジェクトが、生成された描画テーブルに正しく記述されるよう修正。セメント/接着されたオブジェクトが、生成されたテーブルに項目の説明がなかった点を修正。OpticStudio で与えられたパラメータを OpticsBuilder の図面に含めることができるよう修正。
- Creo 版でのクラッシュ – OpticsBuilder for Creoを使用するとクラッシュする以下のシナリオに対して、修正が実装されました。 中央に穴が開いているブール複合レンズのプロパティを表示または編集する場合。システムが[新しい設計を開始] (Start New Design) オプションでインポートされ、生成された参照ジオメトリが更新された場合。散乱プロファイルが任意のシリンドリカルではないレンズ表面に対して定義された場合。部分光線を有効にしてアニメーション光線機能を使用している場合。レンズの[光学特性を編集] (Edit Optical Properties) を開いた場合。コンテキスト メニューの [選択をクリア] (Clear Selection) を使ってサーフェス選択リストがクリアされた場合。システムのプロトタイプが選択されていて [delete] キーなどのキーボードのキーが押された場合
- 有用性に関するバグ – 以下のバグが修正されました。折り返しミラー ツールを使用し、回転した部品がプレビュー モードで表示されるときに、複合レンズの参照ジオメトリが正しい位置に配置されていることがわかるよう修正。読み取り専用の移動時にシミュレーション結果が正しく表示されるよう修正。二次光学系をインポートする際の機能改善と、機械トップ アッセンブリー内にサブ アッセンブリーとして光学系を配置する際の機能改善。