下図のようなプリズム内部で反射するタイプのプリズムに対して、温度分布が与える光学的な影響を解析する場合、プリズムの設定方法とSTARツールの使用方法を紹介します。
下図のようなプリズム内部で反射するタイプのプリズムに対して、温度分布が与える光学的な影響を解析する場合、プリズムの設定方法とSTARツールの使用方法を紹介します。
TIRや金属ミラーで光線を反射するプリズムにはいくつかの設定方法があります。STARツールで温度データをインポートしてプリズムのSTOP分析を行うため、プリズムの設定方法を検討しました。なぜなら、温度データをインポートできる面タイプの制限があり、この制限を回避する必要があるためです。
-----ヘルプファイルより抜粋-----
熱解析データに続く面の制約
熱データを適用した面の後には、どの面タイプでも配置できるわけではありません。詳細については、「分布 1」の「GRIN 面に続く面の制約」を参照してください。
現在のところ、配置できる面は次のとおりです。
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今回作成したプリズムの設定方法は以下の通りです。
この設定方法の特徴は、ティルト面を2回使用することです。反射面のティルト面で設定し、その後に座標ブレーク面を設定します。座標ブレーク面の厚みをゼロにします。そして、ティルト面で反射面と同じ面を設定し、材質はプリズムのガラスを設定します。
温度データは、入射面から反射面までの経路に1つ、そして反射面から出射面までの経路に1つ、合計2つ設定します。
グローバル原点基準で出力したFEAデータであれば、同じFEAデータが使用できます。しかし、現在のSTARツールの仕様で、ひとつのFEAデータはひとつの面にだけ適用できます。そのため、FEAデータをコピーして、ファイル名を変更することで、別のファイルとしてロードする必要があります。
添付のサンプルファイルには、温度による屈折率変化が顕著な特性をもつ仮想のガラスデータ(STARPRISM)が設定されています。現実的なガラスではありませんが、この特性によって温度変化による光線の屈曲が強調されて確認できます。
サンプルの温度データは、入射面のローカル軸に対してY軸のプラス方向からマイナス方向に線形で増加するように作成しました。この温度データはMATLABで理想的に作成しているため、このデータもダミーデータです。
入射面から反射面までのみを考慮したレイアウト図です。屈折率が上下方向に変化するため、光線の進む方向が曲がります。
反射面から出射面のみを考慮したレイアウト図です。入射面から反射面までの温度データのみを無視しているため、この状況は物理的にはあり得ません。OpticStudioは入射側と出射側の屈折率を用いて出射光線の角度を計算するため、平行光線が散乱光線に変化しているように見えます。
両方の温度分布を有効にすると、温度勾配のあるプリズム内部を伝搬する光線を追跡できます。
プリズムの設定方法と温度データの設定方法によって、プリズム内部での反射を用いる光学系のSTOP分析が可能になります。例えば、光通信用のプリズム、DLPプロジェクタの全反射プリズムなど、多くのアプリケーションの光学系にとって有益です。
上記の事例紹介で使用したサンプルファイルを添付します。
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