8個のLEDを使って導光板の側面から光を入射させ、120×80mmの領域を均一に照射するLCDバックライトの設計事例を3つのステップに分けて紹介します。
以下に過去に紹介した事例もありますので、こちらもご参照ください。
8個のLEDを使って導光板の側面から光を入射させ、120×80mmの領域を均一に照射するLCDバックライトの設計事例を3つのステップに分けて紹介します。
以下に過去に紹介した事例もありますので、こちらもご参照ください。
第1ステップでは、1個のLEDで、120×10mmの領域を照射させます。
まず単位は測光量のLumensに設定しておきます。
オブジェクト1で導光板となる矩形体積を設定します。材質はアクリルとします。導光板のZ方向の長さを120mm、X方向の幅を10mm、Y方向の厚さを2mmとします。
側面は反射体となっていることを想定し、サイドのフェイスを反射性とします。また前および後のフェイスのフェイス特性を反射性とします。
このままの設定では光が出てこないので、透過面として薄いアクリル板を想定したオブジェクト2を設定します。オブジェクト1と重ねることで、ネスティングルールにより、オブジェクト2が優先され、光が透過して出てきます。
LEDとしてオブジェクト3に光源(矩形)を設定します。サイズは、0.35×0.35mmとします。コサイン指数を1と設定して、ランバート光源とします。
導光板の前面も反射性になっているため、オブジェクト4にLEDと導光板間に薄いアクリルのブロックを設置します。実際は、反射シートにLEDの穴が開いていることになります。
また、オブジェクト5には、楕円形の散乱体を環オブジェクトで定義します。サイズは最大X半幅を0.5、最大Y半幅を0.2に設定します。
環オブジェクトのプロパティのコーティング/散乱で、散乱をランバーシアンに設定します。
散乱割合を1にすると、正反射成分が0になり、全ての光線が散乱します。光線本数を1とすると、入射光線1本にあたり、1本の散乱光線が発生します。詳細については、以下のヘルプファイルをご参照ください。
オブジェクト6にアレイオブジェクトを設定します。オブジェクト5を親オブジェクトと指定して、X方向に5個、Z方向に72個設置します。X、Z方向のピッチを2mmとするため、デルタ1X’とデルタ1Z’を2とします。Z方向のピッチを徐々に小さくするために、デルタ2Z’は-0.005とします。Xティルトは90とし、オブジェクト5を90°回転させた状態にします。
レイアウトは以下のようになり、アレイオブジェクトで散乱している光線を確認できます。
最後に、オブジェクト7に導光板上部のディテクタを設定します。ディテクタはディテクタ(矩形)を使用し、XY半幅およびXYピクセルをそれぞれ以下のように設定します。
光線追跡を実行する前に、「各光線の最大交差数」と「各光線の最大セグメント数」を最大値に設定しておきます。今回の例では、導光板内で何度も反射が起きるので、これらの値を大きくしておかないと、光線追跡が十分に行われなくなってしまいます。各設定の詳細は、以下のヘルプファイルをご参照ください。
システムエクスプローラのノンシーケンシャル内にある「各光線の最大交差数」を4000、「各光線の最大セグメント数」を2000000にします。続いて光線追跡を実行します。光線追跡を実行する際は、NSC光線の分割にチェックを入れておきます。
光線追跡が終了すると、エラーによるエネルギーロスが以下のように表示されます。これは、設定した最大交差数よりも大きくなり、除去されたエネルギーになります。
光線追跡結果は以下のようになります。
ご参考までに今回使用したファイルを添付します。
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