顕微鏡の照明光学系の設計例についてご紹介いたします。
顕微鏡の照明光学系の設計例について
Best answer by Ryosuke.Niitsu
顕微鏡の光学系の設計例をご紹介させていただきます。
顕微鏡の仕様は下記となります。
倍率 :10倍
NA :0,2 (1/2型CCD対角)
視野数 :8
無限遠補正系 :12mm
結像レンズ焦点距離 :200mm
作動距離 :45mm
使用する光源 :□2mm NA=0.25
大きく2つの光学系の設計に分かれております。
- 結像系
- 照明系
ここでは、照明系の設計例をご紹介させていただきます。
◆暗視野落射照明用の非球面コンデンサーレンズの設計例
明視野照明として、前回の顕微鏡(結像系)の設計例にて設計した対物レンズを
設置するため、中心半径8.5mmは遮断する必要があります。
最終的なレンズデータとレイアウト図は下記のようになります。

絞り面に中心半径8.5mmを絞るアパチャーを設置します。
この部分には、明視野照明として対物レンズが入る予定としております。

最適化ウィザードを使用する際に、遮断に0.57と入力します。
これは中心遮断の割合を示しております。
今回の場合は 遮断する半径8.5mm / レンズの半径 15mm = 0.57となります。

使用したメリットファンクションについては下記のようになります。

1行目_EFLY
焦点距離が20mmになるように設定しております。
※顕微鏡(結像系)設計例の対物レンズと同じ焦点距離にしております。
2行目_REAB
像面に対して、主光線が垂直に入射することを指定しております。
この光学系の照度分布についてシミュレーションを行います。
シーケンシャルモードの状態でも簡単な照度分布シミュレーションができます。
解析→拡張光源解析→幾何光学的像解析を選択します

今回のデータでは視野のタイプを角度に設定しておりますので、
視野のサイズの単位も角度となっております。
ファイルにて「CIRCLE」を選択することで、直径4°の面光源を定義しております。
「画像サイズ」にて2を指定しているため、
シミュレーション結果は直径2mmの領域で表示できます。
「表示方法」を「断面X」にすることで、照度分布の断面図を確認できます。

シミュレーションが実行されると下記のような結果となります。
半径0.4mmの領域はほぼ均一な明るさになっていることが読み取れます。

ここで、顕微鏡(結像系)と顕微鏡(照明系)にて設計した内容を一つのファイルにすることで
顕微鏡の光学系の設計例となります。
また、このデータではマルチコンフィグレーションを使用することで、コンフィグレーションにより明視野の照明と暗視野の照明に切り替えることが出来ます。
最終的なレンズデータとレイアウト図は下記のようになります。


使用したマルチコンフィグレーションは下記のようになります。

シーケンシャルモードではマルチコンフィグレーションを使用することで
複数の光学系を並列に定義することが出来ます。
コンフィグレーション1の時は明視野の設定としております。
顕微鏡(結像系)の時に設計した対物レンズのデータを使用するようにしております。
レンズデータエディタはこのようになります。


コンフィグレーション2の時は暗視野の設定としております。
顕微鏡(照明系)にて設計したコンデンサーレンズのデータを使用しております。
明視野のレンズデータに抑制がかかっていることが分かります。


この光学系の照度分布についてシミュレーションを行います。
解析→拡張光源解析→幾何光学的像解析を選択します。


明視野照明(コンフィグレーション1)では照度分布は下記のようになります。
0.64×0.48mmでこの範囲が一様に照射されているのが分かります。

コンフィグレーションは解析結果の右上にて切り替えられます。
暗視野照明(コンフィグレーション2)では照度分布は下記のようになります。
試料面が一様に照射されているのが分かります。

全コンフィグレーションの場合はこのようになります。

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