フィゾー干渉計のシミュレーション例を紹介します。
フィゾー干渉計のシミュレーション例を紹介します。
干渉計にはいろんなタイプがりますが、今回紹介するフィゾー干渉計とは、光学素子の面精度測定や透過波面測定に広く使われている干渉計です。ここではフィゾー干渉計を使ってレンズの透過波面収差を測定する例を紹介します。
被検レンズを準備します。有効径50mmで焦点距離578mmの平凸レンズを使用します。
非対称の収差を表現するため、ゼルニケ フリンジ位相面を使用して、非点収差とコマ収差を加えています。またコーニック係数を-0.7としています。これは球面平凸だと球面収差が大きいためです。
下図がレンズデータエディタになります。バックフォーカスは571.982mmになります。
下図は光路図になります。
波面収差マップで波面収差を確認します。
下図が波面収差になります。
波面収差は0.3821λpv、0.0881λRMSであることが確認できます。
次にフィゾー干渉計をモデル化します。「平面原器」を取り付けた状態(平行光が射出される状態)のフィゾー干渉計をモデル化するには、下図のように「アフォーカル像空間」にチェックを入れてアフォーカルモードにします。
「球面原器」を取り付けた状態(収束光が射出される状態)をモデル化する場合は、通常のフォーカルモードのままにします。
レンズデータエディタは下図になります。
被検レンズの後に光を戻すための凸面鏡を設置し、戻ってきた光が再度被検レンズに入るようにします。以下の2点に注意してください。
1. 被検レンズから凸面鏡までの距離は、被検レンズのバックフォーカス(571.982mm)から凸面鏡の曲率半径(本例では300mm)を引いた値にします。
2. 復路のデータは、往路のデータを変更した場合に反映されるようにするため、極力往路のデータをピックアップします。各種係数もピックアップします。
モデル完成後の光路図は下図になります。
波面収差マップを確認します。
波面収差は0.7642λpv、0.1762λRMSとなっており、レンズ単体の2倍になっていることが分かります。また非対称の収差があっても問題ないことも確認できます(往復光束が被検レンズの同じ場所を通過しているからです)。
従って、フィゾー干渉計の出力値の1/2が、被検レンズ自身の波面収差になります。
下図のような干渉図形を出力することも可能です。
倍率は1にします。ヘルプファイルでは、ダブルパス光学系では倍率を2にするように記載されてありますが、これはダブルパス光学系を簡便にシングルパスでモデル化した場合です。本例のようにダブルパス全体をモデル化した場合は、倍率を1とします。
今回使用したファイルを添付します。
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