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以下で紹介したLCDバックライトを特定の方向から見た時の輝度分布を確認する方法について説明します。

LCDバックライトのシミュレーション事例3-3

「輝度」は、特定の方向への「光度」をその方向の「見かけの面積」で割った値です。方向(視点)が変わると輝度が変わるので、方向を定める必要があります。小さなディテクタを遠方に設置して視点を定めます。ディテクタ上の角度分布が測定対象の輝度分布になります。

今回はバックライトから200mmの位置に2mm角のディテクタを設置します。バックライトの長手方向が120mmなので、ディテクタから測定対象を見る半角は

θ=atan(120/2/200)=16.7°になります。そのため、ディテクタ(矩形)のパラメータ12~15を±20°に設定します。

 

続いて光線追跡を実行しますが、ディテクタが小さく遠方にあるため、ディテクタに到達する光線が少なく、光線追跡の効率が悪くなります。効率を良くするため、重要度サンプリングを使用します。重要度サンプリングについては、「重要度サンプリングを使用して散乱を効率的にモデル化する方法」をご確認ください。

今回のモデルでは散乱面がアクリルの中にあり、ディテクタは空気中にあります。そのため、アクリルによる屈折を加味して重要度サンプリングのターゲットを設定する必要があります。以下のようにディテクタよりも遠い位置にターゲットを設定します。

 

重要度サンプリングはオブジェクト6に以下のように設定します。

 

上記のエリア内に入るエネルギーは非常に小さいので、システムエクスプローラのノンシーケンシャルにある「最小相対光線強度」を1.0E-8に設定します。

 

レイアウトを確認すると以下のようになっており、ディテクタに光線が集まっていることが分かります。

 

「NSC 光線の散乱」にチェックをいれ、光線追跡を実行します。

 

光線追跡が終了したらディテクタビューアで結果を確認します。ディテクタビューアの設定で「データの表示方法」を「輝度(角度空間)」にします。

 

以下のように輝度分布の結果が得られます。

 

ご参考までに今回使用したファイルを添付します。


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