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メジャーリリース

OpticStudio 22.1 リリースノート

  • January 24, 2022
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Yihua Hsiao
Zemax Staff
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22.1 リリース ノート

2022 年 1 月 25 日

1 ツール、機能及び利便性

 

1.1 新しいレイ エイミング アルゴリズム:強化されたレイ エイミング (すべてのエディション)

広角システムのための新しいレイ エイミング アルゴリズム

広い視野を必要とする革新的なアプリケーション(マシンビジョン、ドローンの監視カメラ、自動運転用カメラ、携帯電話のレンズなど)のために特別に設計された、新しいレイ エイミング アルゴリズムが追加されました。既存のレイ エイミング アルゴリズムを使用した場合に発生する「追跡できない」エラーや解析の不連続性など、既存のアルゴリズムが苦手とする状況に対応するために、大幅な改良が施されています。この新しい手法は強化されたレイ エイミング (Enhanced Ray Aiming)と呼ばれ、[システム エクスプローラ] (System Explorer) の [レイ エイミング] (Ray Aiming) セクションで確認することができます。22.1リリースでは、この新しい方法はまず回転対称の広い視野を持つシステムをサポートします。

 

1.2 ノンシーケンシャル 軸外しミラーの改善 (PROFESSIONAL および PREMIUM のみ)

ノンシーケンシャル軸外しミラーで自由曲面の項などをサポート

ノンシーケンシャル [軸外しミラー] (Off-axis Mirror) オブジェクトに新しい自由曲面パラメータが追加され、オブジェクトの前面がより多様な形状に対応するようになりました。この追加により、高度な光学設計で一般的になりつつある軸外しミラーの形状の複雑化に対応できます。また、これらの追加機能により、NSC グループへの変換ツールを使用して、より多くのシーケンシャル面を軸外しミラーオブジェクトに変換することが可能になりました。また、[ユーザー定義アパチャー] (User Defined Aperture) をノンシーケンシャル軸外しミラーに追加できるようになり、結像システムや照明システムの一部としてこのオブジェクトを使用する際の設計能力がさらに高まりました。

 

1.3 体積ホログラムのノンシーケンシャル回折解析 (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM エディションのみ)

ノンシーケンシャルモードで体積ホログラムの回折効率の解析

[ホログラムレンズ] (Hologram Lens)、[ホログラム面] (Hologram Surface)、[トロイダルホログラム] (Toroidal Hologram) で構成された体積ホログラムを解析するため、ノンシーケンシャルモードに新たに3つの回折効率解析が追加されました。回折効率は、指定された波長とホログラム面への入射角の範囲で可視化され、構築パラメータの関数としてホログラムの性能に関する詳細な洞察を提供することができます。

 

1.4 RCWA 法による表面レリーフ グレーティング DLL の更新 (サブスクリプションの PREMIUM エディションのみ)

高屈折率材料を用いた回折グレーティングのモデリングの精度向上

最新の RCWA DLL には、高速フーリエ分解 (Fast Fourier Factorization) が実装されています。このアルゴリズムの強化により、グレーティングに高い屈折率を持つ材料が含まれる場合の精度が向上します。これは、回折グレーティングが金属を含む場合に特に重要です。金属は通常、屈折率の虚数部に非常に大きな値を持つからです。このようなグレーティングは、テラヘルツ技術、一部の IR システム、AR ヘッドセットなどの部品に広く使用されています。

 

1.5 STAR: 多波長対応 (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM エディションのみ、STAR モジュールのライセンスが必要)

STAR がシステム エクスプローラで定義された複数の波長をサポート

自動運転用カメラ、携帯電話用レンズ、ガイドレーザー切断ツールなど、分光特性がシステム設計に重要な役割を果たす光学アプリケーションを幅広くサポートするため、STAR は FEA データセットのフィッティング時に [システム エクスプローラ] (System Explorer) にあるすべての波長を考慮するようになりました。また、STAR の一部の解析に波長オプションが追加され、選択した波長での光学系の性能を確認することができます。

注意:改良されたフィッティング アルゴリズムで動作させるには、以前に保存した. ZMX および .ZOS ファイルに対して FEA データセットを再フィットする必要があります。

 

1.6 STAR: 温度 - 屈折率プロット (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM エディションのみ、STAR モジュールのライセンスが必要)

FEA データの温度範囲において屈折率がどのように変化していくかを新たに表示

 [温度 - 屈折率プロット] (Thermal Index Plot ) は、面に割り当てられた熱 FEA データセット内の温度範囲について、屈折率対温度のプロットを表示します。これは、各特定の面について、温度の影響をより良く可視化できることを意味します。屈折率レンジの列は、どのレンズが熱 FEA データセットによる光学的変化が最も大きいかを示しています。

 

1.7 STAR: FEA データ ビューア (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM エディションのみ、STAR モジュールのライセンスが必要)

FEA データセットをシステムにロードすることなく、FEA データセットを検査することが可能

新しい [FEA データ ビューア ] (FEA Data Viewer) 解析は、FEA データセットをシステムに読み込むことなく視覚化することができます。このツールでは、寸法や中心位置など、データに関する主要なパラメータもテキストで表示されます。これにより、データをロードして作業する前に、正しい FEA データセットを使用しているかどうかを確認し、エラーを回避することができます。

 

1.8 OPTICSBUILDER 向け準備の更新 (すべてのエディション)

OpticsBuilder でインタラクティブな主光線を有効に

改良された [OpticsBuilder 向け準備] (Prepare for OpticsBuilder) ツールにより、OpticsBuilder で主光線を作成できるようにアパチャーの絞り面を定義することができるようになりました。主光線は、CADユーザーが機械部品を正確に組み立てるためのアライメント用のインタラクティブ光線として使用することができます。

シーケンシャルモードでは、[瞳の定義] (Pupil Definition) セクションの [絞り面を明確なアパチャーに変換] (Convert STOP Surface to Hard Aperture) をチェックするだけで、OpticsBuilder で光を吸収する物理的なアパチャーを有効にすることができます。ノンシーケンシャルモードでは、絞り面 / オブジェクト ドロップダウンから 絞り面を構成するオブジェクトを選択することができます。

また、OpticsBuilder 向け準備ツールのユーザー インターフェイスも更新されました。CAD ユーザーがOpticsBuilder でどのように作業するかというワークフローを反映するために、設定が機能ごとにグループ化されました。

 

1.9 プロジェクト ディレクトリでサポートされるファイルタイプの追加 (すべてのエディション)

プロジェクト ディレクトリは、さらに多くのファイルをサポート

OpticStudio 21.3 から導入された [プロジェクト ディレクトリ] (Project Directory) は、重要な Zemax ファイルを簡単にパッケージ化して保存し、プロジェクト単位で簡単にアクセス、操作できるようにするシステムです。プロジェクト ディレクトリは、[ファイル] (File) タブの [プロジェクト ディレクトリへの変換] (Convert to Project Directory) ボタンを使用して、既存のOpticStudio 設計から作成することができます。

OS 22.1 では、プロジェクト ディレクトリは以下のファイルタイプもサポートするようになりました。

  • STOP ファイル (.ZST, .TXT)
  • [フォトルミネッセンス] (Phosphors and Fluorescence) ファイル (.ZAS, .ZES, .ZQE)
  • [ポリゴン オブジェクト] (Polygon Objects) ファイル (.POB)

 

2 新機能の試行

 

2.1 レイエイミング ウィザード (すべてのエディション)

レイ エイミングの設定について、お使いのシステムに合ったものを選ぶためのアドバイスを提供

OpticStudio 22.1 では、[レイエイミング ウィザード] (Ray Aiming Wizard)  と呼ばれる新機能の試行も搭載されています。このツールは、新しい強化されたレイ エイミングを含む、システムに最適なレイ エイミング設定を決定するために必要なデータを提供します。新しいレイ エイミング ウィザードを使用すれば、正確なシステム解析とモデリングを行うために、いつ、どのようにレイ エイミングを使用すればよいかがわかるようになります。このツールは、シーケンシャルモードの [システム エクスプローラ] (System Explorer) のレイ エイミング セクションにあります。この新機能の試行を有効にするには、[ヘルプ] (Help) タブ > [Zemax ラボ] (Zemax Lab) グループ > [新機能の試行] (Feature Experiments) > [レイエイミング ウィザード](Ray Aiming Wizard) を選択してください。Zemaxコミュニティ フォーラムにてご意見を募集しておりますので、お聞かせください。

 

3 プログラミング

 

3.1 MATHEMATICA ZOS-API のテンプレート (PROFESSIONAL および PREMIUM のみ)

Mathematica を使用して ZOS-API .NET アプリケーションを作成するための新しいテンプレート

 [プログラミング] (Programming) タブに2つの新しいテンプレートが追加され、ZOS-API を使用した Mathematicaプロジェクトを簡単に開始できるようになりました。含まれているテンプレートは、Mathematica を使ったスタンドアロン アプリケーションおよびインタラクティブ拡張機能を作成するためのものです。

 

​​​​​​​3.2 MATHEMATICA ZOS-API の例 (PROFESSIONAL および PREMIUM のみ)

Mathematica を使用してZOS-API .NET スクリプトを作成する方法を示す新しい例  

ZOS-API シンタックスヘルプに新しい例がいくつか追加されました。これらの例は、レンズシステムの作成と設定から、解析のデータの取り出し、最適化の実行など、さまざまなワークフローをカバーしています。また、対応する Mathematica ノートブック ファイル (.nb) が Zemax Data フォルダにあります。

 

4 ライブラリ及びカタログ

 

​​​​​​​4.1 カタログの更新 (すべてのエディション)

CDGM から最新の材質カタログを入手

材質カタログ

  • CDGM 材料カタログが更新され、16種類の新材料、波長材料の拡張、いくつかの既存材料の熱係数の更新が行われました。

5 バグの修正

 
  •  [公差解析データ ビューア] (Tolerance Data Viewer) – 光線追跡に失敗したモンテカルロ トライアルの評価関数の値がゼロであると、公差解析データ ビューアの [サマリー] (Summary) タブで誤って報告される問題が修正されました。現在、[サマリー] (Summary) タブには、これらのトライアルの追跡エラーメッセージが表示され、公差解析データ ビューアのモンテカルロ タブに表示される9e9の値と一致します。
  • [公差解析データ ビューア] (Tolerance Data Viewer) – また、[感度解析] (Sensitivity) タブで、[サマリー] (Summary) タブに表示される各公差オペランドの値と矛盾する不正確なデータおよび欠損データが表示される問題も解決されました。これは、TEDX/Y と TETX/Y オペランドがシーケンシャルモードでノンシーケンシャル コンポーネント 面に作用したときに、感度解析テーブルに正しく追加されないために発生していました。現在、[感度解析] (Sensitivity) タブはこの状況でこれらのオペランドを正しく含み、報告されるデータが [サマリー] (Summary) タブに表示されるものと一致します。
  • VOLU オペランド - VOLU オペランドは、レンズ面が球面でなくとも軸対称で、機械的半径がクリア半径と等しくない場合の体積を正しく計算するようになりました。
  • ZOS-API - 一部の言語(Matlab、Python)でサポートされていないビット単位のOR操作を回避するために、NSCTraceOptions enumにすべての組み合わせ値が追加されました。

6 SOLIDWORKS との互換性

 

Dassault Systemes の一方的な決定により、CAD Link: OpticStudio の SolidWorks 機能は、2021 年 12 月 31 日をもってサポート終了となります。OpticStudio 22.1 のリリースにより、SolidWorks で作成されたパーツやアセンブリファイルへのダイナミックリンクができなくなります。つまり、修正、最適化、公差解析の目的で、これらのパーツの寸法を OpticStudio で表示することができなくなります。

CAD パートを含むファイル、CAD パート:SolidWorks またはCAD アセンブリを含むファイル、SolidWorks オブジェクトを含むファイルを開くと、そのオブジェクトは CAD パート : STEP/IGES/SATオブジェクトに変換されます。実際の SolidWorks のモデル(.SLDPRT または .SLDASM ファイルとして保存されている)は、SAT ファイル (.sat) に変換されます。変換されたファイルは、ObjectsCAD Files フォルダに保存され、元のファイルは残ります。迷光解析などのワークフローは、これまでと同じ追従性と精度で結果を提供します。

Autodesk Inventor および Creo Parametric ツールとの CAD リンクには影響がなく、引き続きこれらのツールを完全にサポートしています。これらのツールで作成した CAD パーツの完全な動的修正、最適化、公差解析が可能です。Inventor または Creo Parametric で作成された修正オブジェクトを、作成プログラムのフォーマットに戻して保存し、光学モデルの追従性を維持することも可能です。

このトピックに関する FAQ は、以下を参照してください。 https://www.zemax.com/pages/information-for-zemax-customers-using-solidworks.

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