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メジャーリリース

OpticStuido 20.2 リリースノート

  • August 3, 2021
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Yihua Hsiao
Zemax Staff
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 2020年5月19日

1      ツールと機能

1.1      クイック歩留まり (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM のみ)

数秒で設計プロセス全体の公差解析の予測を取得

OpticStudio 20.2には、完全なモンテカルロ法を用いた公差解析を、数分の一の時間で計算する新しい高度な機能が搭載されています。この解析は、より製造可能なシステムの作成に関連する設計上の意思決定の指針となるため、設計プロセス全体で使用することができます。[クイック歩留まり] (Quick Yield) は、[公差] (Tolerance) タブ > [クイック歩留まり] (Quick Yield) にあります。

図 1.1.a クイック歩留まり解析

1.2      公差解析データ ビューア (すべてのエディション)

すべての感度およびモンテカルロ公差データに簡単にアクセスできる新しいビューア

[公差解析データ ビューア] (Tolerance Data Viewer) は、すべてのモンテカルロ データと感度データをスプレッドシート形式で表示する新しいビューアです。公差データ エディタにリストされたデータに加えて、このビューアには公差スクリプトで報告されたデータも含まれています。さらに、このビューアの追加の一部として、公差解析の実行で保存した .ZTD ファイルを、他の公差解析でも開くことができるようになりました。このビューアは、デフォルトでは公差解析の実行後に開きます。これは、[公差] (Tolerance) タブ > [公差解析データ ビューア] (Tolerance Data Viewer) にあります。

図 1.2.a 公差解析データ ビューア

1.3      公差ヒストグラム (サブスクリプションのPROFESSIONAL およびPREMIUM のみ)

実行した任意の公差解析データのヒストグラムを表示する新しい解析

OpticStudio 20.2 では、公差のヒストグラムが追加され、公差解析を実行中のコンペンセータ、公差オペランド、または報告された値のヒストグラムが表示されます。この解析は、[公差] (Tolerance) タブ > [ヒストグラム] (Histogram) にあります。

図 1.3.aヒストグラムの解析

1.4      公差歩留まり (サブスクリプションの PROFESSIONAL および PREMIUM のみ)

実行した任意の公差解析の累積分布関数を表示する新しい解析

OpticStudio 20.2 では、公差解析を実行中の任意のコンペンセータ、公差オペランド、または報告値の累積分布関数を表示する公差歩留まり解析が追加されました。この解析は、[公差] (Tolerance) タブ > [歩留まり] (Yield) にあります。

図 1.4.a  歩留まり解析

1.5      軸外しコーニック自由曲面 (すべてのエディション)

新しい最先端のパラメトリック自由曲面

[軸外しコーニック自由曲面] (Off Axis Conic Freefrom surface) は、コーニック セグメントと多項式を重ね合わせて構成されたOpticStudioの新しい面です。この面は、アリゾナ大学のJose Sasian博士の論文[1] に基づいています。

 

1.6      Q タイプ自由曲面 (すべてのエディション)

新しい最先端のパラメトリック自由曲面

OpticStudio の新しい面の [Q タイプ自由曲面] (Q-Freeform surface) は、直交する 2 次元 Q 多項式の集合によって記述されています。これらのいわゆる 2 次元 Q 多項式は、ヤコビ多項式で表現することができ、元々はGreg W. Forbes博士[2] によって記述されました。

1.7      設計テンプレート データベース (サブスクリプションのすべてのエディションのみ)

システムの開始点を簡単かつ迅速に発見

[設計テンプレート] (Design Templates) では、探しているベースとなる仕様にマッチした新しい光学系の開始点を簡単そして便利に検索することができます。プリスクリプション データの任意の情報に基づいて検索することができます。設計テンプレートは、[ライブラリ] (Libraries) タブの [設計テンプレート] (Design Templates) にあります。

図 1.7.a 設計テンプレート ツール

1.8      新しいDLL: SRG_GRIDWIREPOLARIZER _RCWA.DLL (サブスクリプションのPREMIUMエディションのみ)

DLLを使用して回折効率を含めたグリッド ワイヤー偏光グレーティングをモデル化

この新しい回折DLLを使用することで、グリッド ワイヤー偏光グレーティングを正確な回折効率の計算でモデル化できるようになりました。このDLLは、ノンシーケンシャルモードのユーザー定義オブジェクト、回折格子の回折オブジェクト プロパティで使用できます。この機能の詳細については、ナレッジベースの記事 「Simulating diffraction efficiency of the surface-relief grating using the RCWA method」 を参照してください。

図 1.8.a OpticStudio で回折 DLL を選択する場所

1.9      新しいユーザー拡張機能 : RCWA可視化 (サブスクリプションのPREMIUMエディションのみ)

RCWA 回折 DLLを可視化する新しい方法

このユーザー拡張機能を使用すると、srg_trapezoid_RCWA.DLL、srg_GridWirePolarizer_RCWA.DLL、srg_step_RCWA.DLL をすべて OpticStudio 内で可視化することができます。このユーザー拡張機能は、[プログラミング] (Programming) タブ > [ユーザー拡張機能] (User Extensions) > [RCWAvisualization] にあります。この機能の詳細については、ナレッジ ベースの記事 「Simulating diffraction efficiency of surface-relief grating using the RCWA method」 を参照してください。

図 1.9.a グレーティング可視化のユーザー拡張機能

1.10    新しい DLL: SKEWRAYSCIRCULAR.DLL (すべてのエディション)

スキュー光線を用いたノンシーケンシャルモードでのガウシアン ビーム伝搬モデル

この光源DLLは、ノンシーケンシャルモードでガウシアン ビーム伝搬をモデル化するスキュー光線を射出します。スキュー光線はガウシアン ビームの効率的で正確な表現であり、最適な焦点を素早く最適化したり、収差を最小化したりするのに使用できます。これは Paul Colbourne 氏のユーザー定義面 (Using skew rays to model Gaussian beams: https://support.zemax.com/hc/en-us/articles/1500005489661-Using-skew-rays-to-model-Gaussian-beams-webinar) のノンシーケンシャルモードでの等価物です。

図 1.10.a スキュー光線の光源 DLL

1.11    コスト エスティメータ : 新規提供者 – LACROIX OPTICS (すべてのエディション)

レンズ製造の見積もりを瞬時に取得

OpticStudio 20.2 では、LaCroix Optics社が [コスト エスティメータ] (Cost Estimator) ツールに加わりました。LaCroix Optics をコスト エスティメータ提供者として有効にするには、[システム エクスプローラ] (System Explorer) > [コスト エスティメータ] (Cost Estimator) > [提供者を管理] (Manage Providers) を選択します。LaCroix Optics 社のコスト エスティメータ アカウントにサインアップするには、こちらのサイトをご覧ください。 https://info.lacroixoptics.com/lacroix-precision-optics-cost-estimator

図 1.11.a  システム エクスプローラのコスト エスティメータ

1.12    新しいオペランド :  CARD、主要点 (すべてのエディション)

任意のレンズの空気中における EFL を計算

CARDは、システムの主要点を計算します。

 

 

2      プログラミング

2.1     ZOS-API PYTHON: .NET フレーム ワークをサポート (PROFESSIONAL およびPREMIUM のみ)

Python を介した ZOS-API が .NET フレーム ワークをサポート

OpticStudio は、ZOS-API で .NET フレーム ワークでの Python の使用をサポートし、推奨しています。ZOS-API  は .NET フレーム ワークを使用して記述されているため、.NET と直接通信できる言語を使用することで、最も柔軟性が高く、最高のパフォーマンスが得られます。このアップデートの詳細については、https://support.zemax.com/hc/en-us/articles/1500005578782-ZOS-API-using-Python-NET を参照してください。

2.2     ZOS-API: IMAGE SIMULATION (PROFESSIONAL およびPREMIUM のみ)

ZOS-APIが画像シミュレーションの設定と結果に対応

ZOS-API を使用して、[画像シミュレーション] (Image Simulation) 解析の設定と結果が利用できるようになりました。

2.3     ZOS-API: プロジェクト環境設定– フォルダ タブ (PROFESSIONAL およびPREMIUM のみ)

ZOS-API がデフォルト フォルダへのアクセスと変更をサポート

ZOS-API を使用して、[プロジェクト環境設定] (Project Preference) – [フォルダ] (Folder) タブにアクセスして変更できるようになりました。

2.4     ZOS-API: 周辺光量比 (PROFESSIONAL およびPREMIUM のみ)

ZOS-APIが周辺光量比の設定と結果をサポート

ZOS-API を使用して、[周辺光量比] (Relative Illumination) の設定と結果を利用できるようになりました。

 

 

3      有用性

3.1      公差プリセット : 携帯用カメラレンズ (すべてのエディション)

一般的な携帯用カメラレンズ設計のための新しいデフォルトの公差

公差ウィザードでデフォルトの公差に、一般的な携帯用カメラレンズの公差が新たに追加されました。これらの公差は、産業界の専門家によって提供される一般的な数値です。

図 3.1.a 携帯用カメラレンズの一般的な公差

3.2      グリッド点セレクタ ツール: 対称 (サブスクリプションのPREMIUMエディションのみ)

グリッド点セレクタツールがグリッドの対称性をサポート

[グリッド点セレクタ ツール] (Grip Point Selector) を使用しているときに、可変対称性を選択できるようになりました。選択肢は、[左右対称] (Left-Right)、[上下対称] (Up-Down)、または [上下左右対称] (Fourfold) です。選択された領域は青で強調表示され、対称性の領域は赤で強調表示されます。選択された点は、ツールを閉じた後も維持されます。

図 3.2.a 上下左右対称を選択したグリッド点セレクタ ツール

3.3      入門ガイド: MYZEMAX.COMに移動 (すべてのエディション)

ソフトウェアから入門ガイドの削除

より便利で更新された内容を作成するために、入門ガイドはソフトウェアから削除され、https://support.zemax.com/hc/en-us/categories/1500000770022 として提供されます。

 

 

4      ライブラリとカタログ

4.1     カタログの更新 (すべてのエディション)

Schott, DELO, Nikon-Hikari, Hikari, Ohara, LaCroix, 及び Edmund Optics の最新カタログを入手

材料カタログ

·SCHOTT 材料カタログが更新されました。材料 N-LAK14 および N-SF14 のデータを修正しました。材料 SF57HHT がカタログに再追加されました。この材料は生産中止となり、廃止されました。

·DELO 材料カタログが追加されました。この新しいカタログには、材料 DELO KATIOBOND OM614 が含まれています。この材料は、レンズや回折光学素子などの光学部品の複製工程で使用される透明な UV 硬化型エポキシ材料です。

·NIKON-HIKARI 材料カタログが更新され、J-SFH4、J-SFH5、J-KZFH9、J-PSKH8 が含まれています。

·HIKARI 材料カタログが修正されました。「最新のNIKON-HIKARI.AGF をご覧ください」 というコメントが追加されました。このファイルは今後更新されません。また、NIKON-HIKARI.AGF に掲載されている材料はすべて NIKON-HIKARI.AGF にも掲載されています。このリリースに伴い、HIKARI.AGF は廃止されますので、代わりに NIKON-HIKARI.AGF をご利用ください。

·OHARA 材料カタログが更新され、S-PHM52Q 及び S-LAL12Q が含まれています。

·LACROIX 材料カタログが追加されました。この新しいカタログには、LaCroix コスト エスティメータが瞬時に価格設定を行い、LaCroix で作業できる材料がすべて掲載されています。Ohara、 Schott、2 種類の溶融シリカには、合計 216 の材料があります。

·INFRARED 材料カタログが更新され、GERMANIUM の内部透過率が 2-15 um の範囲で 1 に変更されました。また、分散係数 C が修正されました。

市販レンズ カタログ

·Edmund Opticsの市販レンズ カタログは、最近追加されたTechSpec レンズ 4794349038 を含むように更新されました。

 

5      パフォーマンスおよび安定性の改善

OpticStudio 20.2 には以下の機能強化が含まれています。

ツールと機能

·[CAD エクスポート ツール] (CAD Export Tool) – 非円形のアパチャーがより良くサポートされるようになりました。

·[分布12]  (Gradient 12 Surface) – 材質列が定義されていない場合のエラーを修正しました。

·[ライセンス マネージャ] (License Manager) – OpticStudioを最初に開かずに、Zemaxライセンスマネージャでデフォルト ライセンスを設定できるようになりました。

·[視野 データ エディタ] (Field Data Editor) – 角度で定義された大きな視野を持つシステムのために、視野 データ ポイントのグラフィック表示が改善されました。

·[グリッド点セレクタ] (Grid Point Selector)  – 一般的な安定性が改善されました。

·[OpticsBuilder 向け準備] (Prepare for OpticsBuilder) – 幅広いシーケンシャル システムをサポートするために改善されました。

·[クリティカル光線追跡] (Critical Ray Trace) – ノンシーケンシャルモードでブール ネイティブ オブジェクトを使用した場合の解析結果が改善されました。

プログラミング

·Zernike+MSF DLL – Zernike+MSF DLLを非回転対称に更新し、レイ エイミングと近軸光線追跡の問題が修正されました。

 

6      バグ修正

OpticStudio 20.2 には、以下のバグ修正が含まれています。

ツール、機能及びケイパビリティ

·[NSCグループに変換] (NSC Converter) – マルチ コンフィグレーションを使用する際のオブジェクトの位置が改善されました。

·[ショートカット] (Shortcuts) – プロジェクト環境設定のショートカットキーから保存オプションが削除されていた問題が修正されました。

·[CADパート ビューア] (CAD Part Viewer) – CAD パート ビューアがすべてのライセンス タイプと正しく連動するようになりました。

·SSAG オペランド – 機械的半径とクリア半径の両方で正しい値を返すように更新されました。

·[点群にエクスポート] (Export to Point Cloud) – 法線を含めるが有効な場合に正しい半径を使用するようになりました。

·[シングル モード ファイバ結合] (Single Mode Fiber Coupling) – ソース ファイバを考慮した場合の非ゼロ アポダイゼーション ファクタをアルゴリズムが正しく処理するようになりました。

 

[1] Dmitry Reshidko, Jose Sasian, "A method for the design of unsymmetrical optical systems using freeform surfaces," Proc. SPIE 10590, International Optical Design Conference 2017, 105900V (27 November 2017); https://doi.org/10.1117/12.2285134

 

[2] “Characterizing the shape of freeform optics” https://doi.org/10.1364/OE.20.002483

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