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Ansys Zemax OpticStudio 2024 R1.02 リリースノート

  • February 28, 2024
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Ryosuke.Niitsu
Zemax Staff
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2024 R1.02リリース ノート
2024年3月20日

 

1 ツール、機能及び利便性

1.1 面勾配、面の曲率、及び位相勾配 の改善 (すべてのエディション)

最大の勾配または曲率を簡単に解析及び制御し、製造可能な回折光学系を維持 

ユーザーは、それぞれの解析の設定で新しい「最大変化率」データタイプを使用して、最大面勾配、最大面の曲率、および最大位相勾配を簡単に解析できるようになりました。最大変化率はベクトルの方向に関係なく、勾配または曲率の最大値を返します。この新しいデータタイプは、それぞれの断面解析にも追加されました。 

この新しいデータタイプは、いくつかのメリットファンクションのオペランドでも使用できるようになりました。SSLP、SCRVそしてPSLPは面の特定の点での最大の勾配または曲率の値を返しますが、DSLP、DCRVおよびQSLPは面全体に適用されます。これらのオペランドは、システムの製造可能性を保証します。例えば、最適化の時に最大位相勾配を制限してDOEラインの幅を製造可能な値に制約できます。また、最大面勾配を制限してサグを干渉法で正しく測定できるようにできます。 

 

1.2 プロジェクトディレクトリ: レンズファイルに変換 (すべてのエディション)

最小限のクリックで、希望通りのデザインにセットアップ 

Ansys Zemax OpticStudio 2023 R2 に追加された、プロジェクトディレクトリにより、設計プロジェクトを簡単に管理およびカスタマイズできるようになりました。 ただし、変換を元に戻す方法がないため、ユーザーはレンズファイルをレンズプロジェクトに変換することしかできませんでした。新しい [レンズファイルに変換] (Convert to Lens File) 機能を使用すると、プロジェクトディレクトリ機能を使用して構成された ZMX ファイルを、プロジェクトディレクトリ機能を使用しない ZMX ファイルに変換できるようになりました。 

 

 

この機能は [ファイル] (File) タブの [プロジェクトディレクトリ] (Project Directory) グループにあり、現在のシステムがレンズプロジェクトとして設定されている場合にのみ表示されます。 

 

1.3 Lumerical Subwavelength Dynamic Link Dll: 曲面上のグレーティングのサポート (Premium と Enterprise エディションのみ)

AR設計の機能強化 - ダイナミックリンクで曲面上のグレーティングをサポート 

以前のリリースでは、このダイナミックリンクは平面上のグレーティングの定義にしか使用できませんでした。今回アップデートされた[lumerical-sub-wavelength-dynamic-link-2024R1-2.dll] では、[バイナリ 1] (Binary 1)、[バイナリ 2] (Binary 2)、[バイナリ 2A] (Binary 2A)、[ホログラムレンズ] (Hologram Lens)、[レンズレットアレイ 1] ( Lenslet Array 1)、[トロイダルホログラム] (Toroidal Hologram) などの曲面上のグレーティングをダイナミックに定義できるようになりました。これは、導波路のようなARアプリケーションの回折部品のモデリングに非常に便利です。 

 

曲面上でダイナミックリンクプラグインを使用する場合、グレーティングの方向は次の 3ステップで決定されます。 

 - 面の法線が新しいZ軸として設定されます。 

 - 新しいY軸は、新しいZ軸とグローバル[1,0,0]方向との外積で計算されます。 

 - グレーティングの方向となる新しいX軸は、新しい Y 軸と新しい Z 軸の外積で計算されます。 
 

グレーティングの方向を定義した後の計算は、平面上のグレーティングと同じプロセスに従います。 

 

1.4    3D レイアウト: 瞳の視覚化の改善 (すべてのエディション) 

精度の向上、軸外システムのサポート、明確な区別による入射瞳と射出瞳の視覚化を改善 

瞳を可視化する機能が強化されました。座標ブレーク面のあるシステムのサポートが追加され、極端な場合の瞳位置のノイズを抑制するために数値精度を向上させました。今回のアップデートでは、近軸/実射出瞳は常に点線で描画され、近軸/実入射瞳は実線のままです。この変更により、ユーザーの明瞭さが向上し、異なる瞳タイプを区別しやすくなりました。

 

1.5    物理光学伝搬 (POP): ブラックボックスのサポート (すべてのエディション) 

ブラックボックスを含むシステムで POP 解析をシームレスに実行 

POP解析が Zemax ブラックボックスを含むシステムで使用できるようになりました。 これにより、他のチームや企業と共有する前に機密データや専有データを隠す必要がある場合、波動光学解析を必要とするシステムに暗号化されたコンポーネントを組み込むことができます。この機能は多くのアプリケーションで有用ですが、特にファイバーカプラーや光集積回路デバイスを設計するユーザーにとって有益です。 

 

1.6    MTF オペランド: 回折限界 MTF (すべてのエディション) 

回折限界 MTF 値を使用した、より効率的な MTF の最適化 

MTF最適化は回折限界の MTF値をターゲットにすることで、より効率的に実行できるようになりました。以下のように、グリッド = 1および視野 = 0の場合、回折限界値が返されます。これらの改善は、3つのMTFオペランド (MTFS、MTFT、MTFA)すべてに適用されます

 

 

2 ライブラリ及びカタログ

2.1    カタログの更新 (すべてのエディション) 

Nikon-Hikari と Preciosaの最新カタログ 

[材質カタログ] (Materials Catalog)

  • Nikon-Hikari 社の材質カタログが更新されました。 
    • 5つの新しいガラスが追加: J-KZFH10, J-KZFH11, J-SFH6, J-SFH8, J-SFH9 
    • 5つのガラスにメカニカルデータ (MD) が追加: 4786, 5165, 5742, 5859, 7054 

    • 7つのガラスにメカニカルデータ (MD) と応力複屈折データ (BD)が追加: NICF-A, NICF-U, NICF-V, NIFS-A, NIFS-S, NIFS-U, NIFS-V 

    • いくつかのガラスのガラス名とその他のデータ (NM) を更新しました。: J-BAF3, J-BAF4, J-BAF8, J-F3, J-KZFH9, J-LAF09, J-LAK02, J-LAK04, J-LAK06, J-LAK9, J-LASF02, J-LASF03, J-LASF08A, J-LASFH2, J-PSKH8, J-SFH1HS, Q-FK01AS, Q-FKH1S, Q-LASFH59S, Q-PSKH52S, Q-SK55S 

    • いくつかのガラスの追加データ (ED) を更新しました。: J-KZFH9, J-LAK10, J-LASFH24HS, Q-LASFH58S, Q-LASFH59S 

    • 2つのガラスの係数データを更新しました。(CD): E-F2, J-FK01A 

    • いくつかのガラスのその他データ (OD) を更新しました。: J-FK01A, J-KZFH6, J-KZFH7, J-KZFH9, J-LAF016HS, J-LAFH3HS, J-LAK8, J-LASF05HS, J-LASF08A, J-LASF09A, J-LASF015HS, J-LASFH9A, J-LASFH15HS, J-LASFH24, J-LASFH24HS, J-PSKH8, J-SF03HS, J-SFH1HS, J-SFH4, J-SFH5, J-SK15, J-SK16, Q-FK01AS, Q-FKH1S, Q-LASFH58S, Q-LASFH59S, Q-PSKH52S, Q-SK55S 

    • 3つのガラスの波長 (λ) データ (LD) を更新しました。: J-SFH4, J-SFH5, Q-SF6S 

    • いくつかのガラスの内部透過率 (IT) を更新しました。: E-F2, J-KZFH4, J-LASF021HS, J-LASFH13HS, J-LASFH17HS, J-LASFH22, Q-FK01AS, Q-FKH1S, Q-LAFPH1S, Q-LASFPH3S 

  • Preciosa 社の材質カタログが更新されました。  
    • 新しいカタログに一つの材質が追加されました。: LIBA2000+. 

    • ガラス LIBA2000+ は、自動車用非球面レンズや様々な屋外照明システム(空港プリズム、街灯)の光学部品などの成形光学部品の製造に使用されています。さらに、オプトエレクトロニクス用の光学部品や自動車内装用の装飾研磨部品の製造にも使用されています。  

 

 

バグの修正

  • [スイープ] (Swept object) - [体積?] (Is Volume?) が 0 に設定されている場合、または [角度] (Angle) が360度未満の場合でスイープ CAD オブジェクトを作成するとき、スイープオブジェクトが CAD オブジェクトを正確にスイープできない問題を修正しました。 

  • ティルト面 - ティルト面上のミラーがレイアウト表示で正しくレンダリングされない問題を修正しました。 

  • [STAR マルチフィジクスデータビューア] (STAR Multiphysics Data Viewer) - 一部の STAR 分析ウィンドウでのカラーバーの数値書式設定を修正しました。 

  • ブールオブジェクト - CAD ベースのトロイダルレンズ生成に関するいくつかの問題と、ブール操作(ブール (CAD) または ブール (ネイティブ) オブジェクトの一部)に失敗すると OpticStudio がハングアップする問題を修正しました。 

  • ブールオブジェクト – ユーザー定義アパチャーによる押し出しオブジェクトが、ブールオブジェクトの一部として使用できない問題を修正しました。 

  • [ブール(ネイティブ)] (Boolean Native) - CAD 操作で環状体積の形状が正しく生成されない問題を修正しました。 

  • ZOS-API - 一部の STAR 解析ウィンドウが ZOS-API 経由で閉じられない問題を修正しました。 

  • [バイナリ2A] (Binary 2A)パラメータ - ノンシーケンシャルオブジェクトの [有効口径1] (Clear 1) および [有効口径2] (Clear 2) パラメータの動作が変更され、パラメータの 0 値が現在の半径アパチャー値を自動的に追跡するのではなく、レンズの更新時に現在の半径アパチャー値に置き換えられるようになりました。 

  • [バイナリ2A] (Binary 2A) - ノンシーケンシャルオブジェクトに関する問題が解決され、[ノンシーケンシャルコンポーネントエディタ] (Non-Sequential Component Editor) ですべての位相係数が適切にラベル付けされ、位相が正確に計算されるようになりました。さらに、シーケンシャルモードからの変換中にパラメータが誤って Binary 2A オブジェクトに転送される問題が修正されました。 

  • [合成面] (Composite surface) - 合成面の合成ティルト角度、つまりX 軸と Y 軸の両方を中心とした結果的な回転の計算の精度が向上しました。 

  • [レンズデータエディタ] (Lens Data Editor) - 新しい面を [レンズデータエディタ] (Lens Data Editor) に挿入するときの動作が変更され、新しい面の曲率半径が常に無限大になるようになりました。 

  • 屈折率分布 DLL - ユーザー定義面を使用した屈折率分布の解析で、OpticStudio がクラッシュするいくつかの問題を修正しました。 

  • GGD ファイルの選択 - Grid_Gradient.dll を使用する際、"File" ドロップダウンがグレーアウトし、GGDファイルを変更できない問題を修正しました。 

  • FFT MTF – FFT MTF の設定で [偏光を使用] (Use Polarization) がチェックされている際に[回折限界を表示] (Show Diffraction Limit) のチェックを外すと、多色 MTF が正しく表示されない問題を修正しました。 

  • 公差解析の結果 – [視野/コンフィグの個別計算] (Separate Fields/Configs) オプションが選択され、公差データエディタに1つ以上の TOFF オペランドがある場合、公差結果のサマリータブで、個別のフィールドとコンフィグレーションに対する感度の統計が誤って報告される問題を修正しました。 

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