21.3 リリース ノート
2021年9月21日
1 ツール、機能及び利便性
1.1 新しい軸外しミラー オブジェクト (Professional および Premium エディションのみ)
ノンシーケンシャルモードに軸外しミラーを追加。
>軸外しミラー] (Off-axis Mirror) オブジェクトは、軸外しコーニック非球面ミラーのモデリングをより簡単にします。このオブジェクトは、多項式の項を除いたシーケンシャルモード面の軸外しコーニック自由曲面と同等の前面と、前面と同じオフセットを持つコーニックの後面を持っています。
1.2 プロジェクト ディレクトリ (すべてのエディション)
重要なファイルを一つ場所に集めることが可能
新しい プロジェクト ディレクトリ] (Project Directories) 機能では、OpticStudio の設計で使用する重要なファイルを1つの場所に保存し、作業を保存する際にそれらのファイルを更新し続けることができます。これにより、モデルに関連するすべての情報を整理し、他の OpticStudio ユーザーと共有することが容易になります。
プロジェクト ディレクトリは、ファイル] (File) タブの プロジェクト ディレクトリへの変換] (Convert to Project Directory) ボタンを使用して、既存の OpticStudio 設計ファイルから作成できます。
1.3 新しいデフォルトファイル形式 (すべてのエディション)
ZOSがデフォルトのファイル形式に
デフォルトでは、ファイルは人間が読めないバイナリファイル形式で保存され、ファイル拡張子は .ZOS になります。これにより、ディスクに保存するとき、アーカイブするとき、およびファイルを共有するときのファイルのセキュリティが向上します。
OpticStudio 21.3 では、設計ファイルを ZMX ファイル形式で保存することができますが、ZMX は推奨ファイル形式ではなくなったため、保存時に警告メッセージが表示されます。当社は常に後方互換性をサポートしていますので、OpticStudio 21.3 および OpticStudio の将来のすべてのバージョンで、ZMX ファイルを読み込むことができます。ZMX ファイルは、その後に保存する際にデフォルトで ZOS 形式に変換されます。
1.4 STAR におけるユーザー定義の座標変換 (サブスクリプションの Professional および Premium エディションのみ、STAR モジュールのライセンスが必要)
任意の座標系で FEA データを読み込み、STAR で変換が可能
FEA データセットは、任意の座標系で STAR モジュールに読み込まれ、FEAデータの読み込み] (Load FEA Data) ツールで変換や回転を行うことができます。これにより STAR モジュールは、OpticStudio のローカル座標やグローバル座標とは異なる座標系でエクスポートされた FEA データを扱うことができます。
1.5 STAR モジュールの新しいシステム ビューアの描画モード (サブスクリプションの Professional および Premium エディションのみ、STAR モジュールのライセンスが必要)
デフォーメーション ベクトルの表示が可能
システムビューア] (System Viewer) ツールには、2つの新しい描画モードがあります。デフォーメーション マップ & ベクトル] (Deformation Map & Vectors) と デフォーメーション ベクトル] (Deformation Vectors) です。これらは、光学系の変形の大きさと方向を表示します。
1.6 OpticsBuilder 向け準備における絞り面を固定アパチャーに変更 (すべてのエディション)
変換時に絞り面のオブジェクトタイプをコントロールする新しいチェックボックス
OpticsBuilder 向け準備] (Prepare For OpticsBuilder) ツールの中に、新しいチェックボックス 絞り面を固定アパチャーに変更しますか？] (Convert STOP to Hard Aperture?) があります。このチェックボックスを選択すると、レンズ データ エディタで選択されている絞り面が 環] (Annulus) オブジェクトに変換されます。OpticStudio の以前のバージョンでは、このチェックボックスを選択した場合と同じ動作を行っていました。
1.7 Zemax のウェブサイトとカスタマポータルの更新
Zemax の新しいウェブサイトがオープン
Zemax のウェブサイトが更新され、すべてのサポート、トレーニング、および製品情報の拠点となりました。Zemax.com とすべての MyZemax と OpticsAcademy の内容を統合し、グローバルな検索機能を備えた一元化されたウェブサイトとなっています。
これには、コミュニティフォーラム、ナレッジベース、およびサポートのための改良されたチケット システムの更新が含まれます。
詳細については、ブログポスト「Zemaxウェブサイトとカスタマポータルの更新について」をご覧ください。
1.8 OpticStudio HPC ベータプログラム
高性能計算が OpticStudio に登場
OpticStudio 21.3 には新しい HPC タブがありますが、これは HPC ベータプログラムに参加しているユーザーのみが使用できます。
OpticStudio HPCでは、分散型クラウド コンピューティングを使用して、ノンシーケンシャルモード光線追跡やモンテカルロ公差解析などの長時間実行する計算を高速化できます。
HPCベータプログラムへの参加についてのお問い合わせは、support@zemax.com までご連絡ください。
2 プログラミング
2.1 ZPL : TOLERANCE キーワードの更新
TOLERANCE キーワードが ZTD ファイルに保存することが可能
ZPL キーワードの TOLERANCE が更新され、out_file_name 引数の最後に .ZTD 拡張子を指定することで、ZTDファイル形式での出力に対応できるようになりました。例えば、構文は次のようになります。
TOLERANCE example.TOP, output.ZTD
3 ライブラリ及びカタログ
3.1 カタログの更新 (すべてのエディション)
NHG から最新の材質カタログ
材質カタログ] (Materials Catalog)
- NHG カタログには、23種類の新材質と、一部の既存材質の性能データが更新されています
4 パフォーマンスおよび安定性の改善
- nデザインの固定] (Design Lockdown) と eOpticsBuilder向け準備] (Prepare for OpticsBuilder) - これらのツールは、シーケンシャルモードからノンシーケンシャルモードに変換する際、ダミー面を無視するようになりました。 以前はノンシーケンシャルモードでダミー面が 環] (Annulus) に変換され、光線追跡中に望ましくない光線クリッピングが発生していました。
- STAR モジュールライセンス - OpticStudioの起動時にSTAR モジュールライセンスが自動的に有効になるようになりました。Zemax ライセンス マネージャー にて手動で有効化する必要はなくなりました。
- INT グリッドから OpticStudio への変換 - 変換時に非正方形グリッドをより確実に処理できるようになりました。
5 バグの修正
- 体積ホログラム – Kogelnik の偏光モデルに合わせて、0 次の体積ホログラムの回折効率計算が更新されました。
- 公差オペランド - ティルト/ディセンタ エレメント] (Tilt/Decenter Elements) ツールを使用して 座標ブレーク] (Coordinate Breaks) を追加する場合、公差オペランドは更新された面番号を正しく反映します。以前は、座標ブレークが面の前に挿入されると、面番号は変更されますが、オペランドは更新されませんでした。
- ティルト/ディセンタ エレメント] (Tilt/Decenter Elements) - 面のセルの 1 つに ZPL マクロソルブがある場合の動作が修正されました。以前は、固定値となりソルブはオフになっていました。
- ティルト/ディセンタ エレメント] (Tilt/Decenter Elements) - 元に戻す] (Undo) が使用された場合、面が正しく削除されます。以前は、挿入された一部の面が削除されませんでした。
- eNSC グループに変換] (Convert to NSC Group) - 変換時にミラー空間の _バイコーニック面] (Biconic surface) を正しく処理します。以前は、変換時にパラメータが誤って処理されることがありました。
