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2023 R2 リリースノート

2023 年 7 月12 日

 

 

 

  

 

1 ツール、機能および利便性

1.1 Creo Parametric 8 と 9 

OpticsBuilderが PTC Creo Parametric 8 と 9をサポート 

OpticsBuilder は、PTC Creo Parametric 8 と9で完全にサポートされるようになりました。ユーザーは、Creo 4、5、6、7向けのOpticsBuilderと同じ機能を使用できます。なお、Ansys Zemax OpticsBuilder 2023 R2 が Creo 4 向けの最終リリースになるため、ご注意ください。 

 

1.2 折り返しミラーツール – 新機能 

光学系を折り返すことで空間的な制約のあるアセンブリに適合    

従来のツールに新たなアップデートを加えた折り返しミラーツールは、ユーザーの環境をシミュレートし、光学製品を厳しい空間的な制約に適合するための折り返しミラーを配置する方法を提供します。この重要なアップデートは、折り返しミラーツールに機能を追加したものです。  

折り返しミラーの改良点は以下の通りです。 

  • 折り返しミラーをシステムに設置してから編集できます。 

  • 元に戻す必要がある場合は、OpticsBuilder の光学マネージャで 折り返しミラーを右クリックしてアクセスできます。 

  • 光学部品とディテクタの間に折り返しミラーを配置するとき、そのディテクタを第2参照とターゲット部品の両方として選択できます。 

  • ユーザーが折り返しミラーと一緒に光源を回転させるとき、光源を第2参照とターゲット部品の両方として選択できます。

図 1.1.a - OpticsBuilder 折り返しミラーツール 

 

1.3 新規コンポーネント対応 

ノンシーケンシャル拡張多項式のユーザー定義アパチャーをサポート 

OpticsBuilderはシーケンシャルの拡張多項式面とノンシーケンシャルの拡張多項式オブジェクトのユーザー定義アパチャーをサポートするようになりました。OpticsBuilderは、STEPインポートを使用してこの新規コンポーネントタイプをインポートします。  

 

2 ライブラリとカタログ

2.1 ISX散乱ライブラリの削除 

OpticsBuilderからISX 散乱ライブラリを削除 

ISX散乱は、将来的にITまたはセキュリティの脆弱性をもたらす可能性のある旧式のMicrosoftコンポーネントに依存しているため、Ansys Zemax OpticsBuilder 2023 R2 から削除されます。 

ISX散乱ライブラリを使用した設計は、bsdf散乱ライブラリを使用するように変換する必要があります。 

 

2.2 Parasolid CAD ライブラリ 

Parasolid CADライブラリの使用   

OpticsBuilderは、Parasolid CADライブラリを利用して、速く、より正確に光学ジオメトリを作成できるようになりました。OpticStudio の新しいParasolidサポートとAnsys Speosの既存のParasolidサポートは同一です。 

 

2.3 ディレクトリとタグ 

OpticStudioとOpticsBuilder間の新しいトラッキング 

OpticsBuilder には、ディレクトリとタグ と呼ばれるバックグラウンドで起動する新機能が組み込まれています。この機能はOpticStudioとOpticsBuilderのデータ転送をアシストするもので、2つの製品間でエクスポート、転送、およびインポートするときのオブジェクトとデータの追跡を改善します。ユーザーが明確な変化を認識することはありませんが、ファイルを共有するときの利便性が全体的に改善されます。 

 

3.バグ修正  

Ansys Zemax OpticsBuilder 2023 R2には以下のバグ修正が含まれます。 

  • クラッシュ - 

    • OpticsBuilder を停止し、Creo のツール > 補助アプリケーションから再アクティブ化すると、Creo がクラッシュする問題が修正されました。  
    • Creo 8.0.7.0において、プレビュー機能によりディテクタ体積を追加する時、Creoがクラッシュする問題が修正されました。 
  • ZBD ファイルインポート] (Import ZBD File) -  
    • インポートZBDファイルでファイルを読み込んでいる間、厚みがゼロのコンポーネンがあるというメッセージのウィンドウが表示されることがありました。このウィンドウはバックグラウンドで開くため、Creoがハングアップしているように見えていた問題が修正されました。 
    • ZBDファイルのインポート時に、バイコーニックレンズオブジェクトはエラーになることがありました。また、いくつかの機能が欠落して表示される問題が修正されました。 
    • ZBD ファイルをインポートするプロセス中に、ブール(ネイティブ) オブジェクトが不正確にスケーリングされる問題が修正されました。 
    • サンプルファイル ” Cellphone Camera Lens EndDesign.ZBD” のインポート中に、Creoのグラフィック領域に対して不正確にスケーリングされる問題が修正されました。 
    • OpticStudioでシステム単位を変更してからOpticsBuilder用のファイルを作成した時、そのファイルはOpticsBuilderのOptical PropertiesとCreo Propertiesメニューで異なるシステム単位で係数がインポートされる問題が修正されました。 
  • >方程式駆動インポート] (Equation-driven import) - 
    • <軸外しミラー] (Off-Axis Mirror) オブジェクトは;方程式駆動インポート] (Equation-driven import)  をオンにした場合、正しい形状でインポートされない問題が修正されました。 
    • カスタムパートテンプレートを使用している場合、方程式駆動インポートはそのファイルを読み込むことができない問題が修正されました。 
    • 方程式駆動インポートをオンにしてサンプルファイル “Projector OS End Design.zbd” をインポートした時、Creoからエラーが表示される問題が修正されました。 
    • 方程式駆動インポートをオンにしてインポートしたファイルでマウント エッジ機能を使用していくつかの変更を加えようとすると失敗する問題が修正されました。 
  • ZBD ファイルを更新] (Update ZBD File)-  
    • 複数のコンフィグレーションを持つファイルの時、ZBD ファイルの更新ツールで全てのコンフィグレーションを選択すると、OpticsBuilderが停止する問題が修正されました。 
    • 抑制されたコンポーネントが、ZBD ファイルの更新時に抑制が解除される問題が修正されました。 
    • ユーザーが光学コンポーネントのパラメータ (曲率半径など) を変更し、これを OpticStudio にエクスポートすると、パラメータの変更は転送されます。ユーザーが .ZBD ファイルを更新した場合、パラメータの変更はそのまま残ります。その後、ユーザーがこの更新されたファイルを OpticStudio にエクスポートすると、OpticStudio は元のパラメータをロードし、変更を認識しませんでした。この問題が修正されました。 
    • 部品ウィンドウで使用されている単位と、更新 ZBD ファイルの比較表に示されている単位が異なる問題が修正されました。 
  • ZBD ファイルをエクスポート] (Export ZBD File) -  
    • ファイル内で機械的フィーチャが抑制されている場合、ZBD ファイルをエクスポートしようとすると、OpticsBuilder がエラー メッセージを表示する問題が修正されました。 
    • ユーザーがCADパート(Creo) を使用してZBD ファイルをエクスポートした場合、いくつかのメカ部品がSTEPファイルでエクスポートされる問題が修正されました。 
    • ユーザーが STEP を使用して ZBD ファイルをエクスポートし、そのファイルを再度インポートしてSTEP パーツに散乱プロファイルを適用した場合、新しくエクスポートした ZBD ファイルに適用した散乱プロファイルが保持されない問題が修正されました。 
    • ユーザーがシミュレーション中にメカ部品を「光線無視」と設定し、その後 ZBD ファイルをエクスポートした場合、そのファイル内でこのフラグが保持されない問題が修正されました。 
    • ZBD ファイルのエクスポート中に「名前を付けてメカ部品を保存 (STEP、CAD パーツ)」が使用できるようになり、これによってエクスポートが中断されていました。 ユーザーが「名前を付けてメカ部品を保存」を選択して「保存」にしても、エクスポート プロセスを中断しないように、このオプションは無効になります。 
    • ユーザーが CAD ツールを使用して光学部品を編集した場合、このコンポーネントは「オプトメカ部品」コンポーネントに分類されます。 .ZBD ファイルのエクスポート中に、このオプトメカ部品に適用されたコーティングが、保存されてコンポーネントに保持されずに失われる問題が修正されました。 
    • 詳細設定で「メカ部品を単一部品としてトレースする」オプションを選択すると、エクスポートされた ZBD ファイルには一部のメカ部品が含まれない問題が修正されました。 
  • 折り返しミラー] (Fold Mirror Tool) – 
    • 折り返しミラーの後に光線フットプリント境界] (Ray Footprint Boundaries)の境界が表示されない場合がある問題が修正されました。 
    • 折り返しミラーの厚みを1未満に設定する方法がウィンドウ内での下矢印のクリックのみで、キーボードを使用して厚さを 1 未満に設定できない問題を修正しました。 
  • 光学部品特性] (Optical Component Properties) 
    • 読み取り専用の場合、光学部品特性ウィンドウで散乱設定を表示できない問題が修正されました。 
    • 光学部品特性ウィンドウのドロップダウン メニューに、材料カタログがアルファベット順にリストされていませんでした。 OpticStudio と同じように、アルファベット順にリストするように修正されました。 
    • 光学部品特性ウィンドウを開いて閉じると、Creo グラフィックス領域のメカ部品の外観が変化する問題が修正されました。 
    • ユーザーが 光学特性ウィンドウ] > コーティング/散乱] ページを開いたとき、散乱モデルが選択されていても「含まれる部品」 リストに面が存在しない場合、散乱モデルが選択されていないレンズ表面に自動的に割り当てられる問題が修正されました。 
    • Creoアッセンブリで部品がアクティブの時、Creoの部品を開くと、コーティング/散乱設定が一部非表示になる問題が修正されました。 
    • 散乱モデルが定義された状態でインポートされた光学部品について、光学部品のプロパティウィンドウで「薄板ウィンドウ散乱」を有効にできない問題が修正されました。 
    • バイコニックゼルニケレンズの前面曲率半径を光学部品のプロパティで変更しようとしても、変更が反映されない問題が修正されました。 
  • レンズ図面を作成] (Generate Lens Drawings) -  
    • レンズ図面を作成にて、貼り合わせオブジェクトの一部のパラメータがシングレットの図面になる問題が修正されました。 
    • レンズ図面の生成にて、クアドラプレット アセンブリ図面の面粗さ記号の位置が正しくない問題が修正されました。 
    • レンズ図面の生成にて、光学アセンブリ図面内の複数の貼り合わせオブジェクトをカバーするデータが不十分な問題が修正されました。 
  • その他 -  
    • 光学部品のレンズユニットを変更したとき、オプトメカ部品に変更されてシミュレーションの対象部品から削除されました。レンズユニットの変更によって光学部品の状態は変化したり、シミュレーションリストから削除される問題も修正されました。 
    • サンプルファイルの "Laser Induced Thermal Lensing Effect "にて、シミュレーションが失敗する問題が修正されました。 
    • 全ての光学部品が解析に含まれているかどうかにかかわらず、計算領域のツールウインドウに「全ての光学部品が含まれています。」というメッセージが表示される問題が修正されました。 
    • 日本語ローカライズ版で、システム設定ウィンドウの領域が重複する問題が修正されました。 
    • 全てのメカ部品を抑制すると、ディテクタビューアはシミュレーションにメカ部品が考慮された結果を出力する問題が修正されました。 
    • OpticsBuilder用の.ZBDファイルを準備する前に、OpticStudioで新しい材料カタログを作成して光学部品に割り当てた場合、新しい材料がOpticsBuilderにZBDファイルと共にインポートされず、エラーメッセージが表示される問題が修正されました。