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サービスパック

Ansys Zemax OpticStudio 2023 R1.02 リリースノート


Yihua Hsiao
Zemax Staff
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2023 R1.02 リリースノート

2023年 3月22日

 

 

1 ツール、機能及び利便性

1.1 STAR モジュール : FEA シンメトリ ツール(ENTERPRISE エディションのみ)

対称性の前提を適応した、STOP ワークフローの高速化

Ansys Zemax OpticStudio の Enterprise エディションでは、対称性の前提を利用したシミュレーションから得られた FEA データセットを利用することができるようになりました。フルの FEA シミュレーションモデルは、数時間から数日という長い実行時間を要することが多いため、FEA エンジニアが FEA データセットを光学エンジニアと共有するには、多くの作業が必要で、特に反復設計のワークフローでは困難です。そのため一般的に、FEA エンジニアはモデルに対して対称性の仮定を使用することで、全体の実行時間を短縮し、シミュレーションが収束するまでの時間を短縮しています。一方、OpticStudio の Enterpriseエディションの STAR ツールを利用するには、FEA データセットがアパチャー全体をカバーする必要があります。新しい FEA シンメトリ ツール (Symmetry Tool) は、この様なワークフローをサポートするために、光学エンジニアが「部分的な」 FEA データセットを取得した場合に、ミラーまたは回転ツールを使用して、光学アパチャー全体をカバーする新しい FEA データセットを作成できます。作成された新しい FEA データセットは、STAR モジュールの [FEA データの読み込み] (Load FEA Data) ツールにより OpticStudio にロードすることができます。

 

FEA シンメトリ ツールは、構造および熱両方の FEA データセットに対応しており、ユーザーは一度に複数のファイルを保存することができます。その結果、STOP 解析の反復プロセスにおいて、全体的に大幅に時間を短縮することができます。ただし、すべての FEA シミュレーションが対称性を前提としてで正確にモデリングできるわけではない点に注意してください。

 

1.2  STAR モジュール :パフォーマンス解析 での剛体運動 (RBMS) の切り分け(ENTERPRISE エディションのみ)

簡単にRBM と表面変形の影響を分離し、その性能への影響を定量化 

パフォーマンス解析に新しい設定が追加され、面の変形とは別に剛体運動 (RBM) からの影響に関する情報が表示されるようになりました。パフォーマンス解析のバーチャートに追加されたバーは、光学系の光学性能に影響を与えている要素をより詳細に表示し、コンポーネントの動き (剛体運動) と面の変形のどちらに注目すべきかの洞察を与えてくれます。詳細な解析のためには、 [表示する誤差] (Show errors for) 設定で、面ごとにこれらのデータを表示することもできます。この機能により、ボタンをクリックするだけで光学系の中で最も悪化させている面や要素を切り分けることができます。

1.3  CREO 8 とのダイナミックリンクのサポート (PREMIUM および ENTERPRISE エディションのみ)

PTC Creo Parametric 8 で作成したパーツやアセンブリを動的に修正、最適化

OpticStudio Premium および Enterprise エディションでは、PTC Creo Parametric のパーツおよびアセンブリファイルをノンシーケンシャル モードで動的に開き、簡単で一般的な形状だけでは容易にモデリングできないオブジェクトをモデリングし、パラメトリック制御することができます。ネイティブ CAD パーツを、関連するオブジェクトタイプを使用して、[ノンシーケンシャル コンポーネント エディタ] (Non-sequential Component Editor)簡単に取り込むことができます。オブジェクトに定義された明示された寸法は、ノンシーケンシャル コンポーネント エディタ内で表示され、制御することができます。これにより、光学エンジニアはフォーマット変換の必要なく、機械エンジニアが使用するのと同じファイルを使用して作業できるようになります。
OpticStudio は、PTC Creo Parametric 8 のほか、Creo Parametric 7、6、5、および4 のレガシーリリースソフトウェアとのダイナミックリンクに対応しています。使用する Creo のバージョンを変更するには、OpticStudio の [プロジェクト環境設定] (Project Preferences) で、お好みのインストールされた Creo のパスを設定するだけです。 

 

2 パフォーマンスと安定性の向上

  •  回折 DLL : lumerical-sub-wavelength-2023R1-1.dll – JSON ファイル形式に問題がないか確認できるように、エラーログを改善しました。DLL のパラメータ [Test Mode] を 1 に設定することで、読み込みエラーが発生した場合に、ログファイルを [\Document\Zemax\DLL\Diffractive\] フォルダに保存します。

 

3 ライブラリ及びカタログ

3.1 カタログの更新 (すべてのエディション)

Micro Resist Technology 及び Qioptic Photonics の最新カタログ

[材質カタログ] (Materials Catalog)

  • Micro Resist Technology (MRT) 社の材質カタログが追加されました。 
    • 3 つの新しいガラスが追加 : D-ZK21, D-ZLaF85LN, F4GTi。
    • 低軟化点系ガラス (D-) は、2 種類のアニール率の屈折率データを提供しており、シリアルナンバーの末尾「-25」は、ガラスの屈折率データが 25 ℃対応データであることを示し、末尾なしのガラスは、4 ℃/h 対応データであることを示しています。
    • 以下の 7 種の材質が追加 : ORMOCLAD, ORMOCLEAR®, ORMOCLEAR®30, ORMOCLEAR®FX, ORMOCOMP®, ORMOCORE, ORMOSTAMP®
    • MRT 社の [ORMO] シリーズは、光学用途の有機・無機ハイブリッドポリマー製品群です。可視域から近赤外域までの高い透明性と、純有機高分子材料と比較して優れた安定性を兼ね備えています。これらのハイブリッドポリマーはUV硬化型であるため、低い処理温度と短い生産時間が特徴です。今回カタログに掲載た製品群は、さまざまな屈折率やプロセス適合性をカバーしています。 

[原器リスト] (Test Plate Lists)

  • Qioptiq Photonics 社の原器リストが追加されました
    • 1451 種類の原器がリストに追加
    • これらの原器は以前のリリースの LINOS Photonics 社のリストの置き換えになります。

4 バグの修正

  • 回折 DLL : lumerical-sub-wavelength_dynamic_link-2023R1-1.dll – DLL を用いた光学系で、[ホイヘンス PSF] (Huygens PSF) などのコヒーレント解析を行う際に、回折光線の位相が正しく計算されないという問題を修正しました。ただし、lumerical-sub-wavelength-dynamic-link-2023R1-1.dll は、Lumerical FDTD 2023 R1.01 との組み合わせのみで正常に動作します。同様に、以前のバージョンの DLL を使用する場合は、Lumerical 2023 R1.01 より前のバージョンの Lumerical との組み合わせでしか使用することができません。
  • [レイ エイミング] (Ray Aiming) – ZOS-API での GetRecommendedSetting による設定と、システムエクスプローラーのレイエイミングでの推奨設定が異なる問題が修正されました。
  • [NSC サグ] (NSC Sag) – [NSC サグ] (NSC Sag) 解析で、オブジェクトにチルトを適用すると OpticStudio がクラッシュすることがある問題を修正しました。
  • [光学合成ホログラム] (Optically Fabricated Hologram) – [光学合成ホログラム] (Optically Fabricated Hologram) 面が ZAR ファイルから展開された後、構成ファイルの参照を認識しない問題を修正しました。
  • [ユーザー定義] (User Defined) オブジェクト – [DiffractionGrating.DLL] を使用した[ユーザー定義] (User Defined) オブジェクトの側面が正しく定義されていない問題を修正しました。
  • STAR モジュール – 1 本の光線に対して面に複数の交点候補がある場合に、STAR光線追跡ソルバーが予期しない交点を選択してしまう問題を修正しました。
     

 

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